交換レンズのススメ、手持ちのデジ一眼の魅力を十二分に引き出せ!!
大枚をはたいて購入したデジタル一眼レフカメラ。デジ一眼の醍醐味と言えば、コンパクトデジタルカメラではできない、レンズの交換だろう。コンデジ本体に比べ、交換レンズはなかなか高価だが、それに見合う美しい映像を写真に残すことができる。撮りたいものに合わせて望遠、広角、マクロレンズと交換し、デジ一眼の魅力を思う存分堪能してみてはいかがだろうか?
交換レンズには、遠くのものを大きく写せる「望遠」レンズ、広い範囲が写せる「広角」レンズ、被写体に近づくことができる「マクロ」レンズがある。また中央を誇張した写真が撮れる「魚眼」レンズもある。マクロレンズ、魚眼レンズとも、実際に見ている映像と少し印象が違う写真が撮れるので、なかなか面白い。
まず、一番分かりやすいのは、遠くのものを大きく撮影する望遠レンズだ。例えば十数メートル先の子どもの顔や、動物などを大きく撮影したい場合は200mm程度の望遠レンズがいいだろう。またバードウオッチングをしたい場合は、300-400mmほど欲しいところ。しかし、望遠レンズは300mmを越えると長く、重く、そして高価になるため、懐と相談しよう。
反対に、集合写真を撮る時、端にいる人が欠けてしまったり、広々とした風景をそのまま写真に収めたい場合は、広角レンズがオススメだ。24-35mmの広角レンズを使用すれば広がりのある写真を撮影できる。
マクロレンズは、よく「花を撮影するレンズ」と言われ、被写体に近づいて大きく撮影できるレンズで、接写レンズともいう。小さいものを大きく撮影しようと被写体に近づくと、カメラと被写体の距離がある程度縮まるとピントが合わなくなってしまう。これはレンズごとに、この距離よりも被写体に近づくとピントが合わなくなる、という最短の撮影距離「最短撮影距離」があるためだ。
レンズキットに同梱されている18-55mmの広角-標準ズームレンズの場合、最短撮影距離は30cm前後。だが、焦点距離50mmほどのマクロレンズの場合、18-23cmぐらいまでに被写体に近づくことができる。なお、この距離はレンズの先から被写体までの距離ではなく、レンズの中心にあるセンサーから被写体までの距離なので、実際はもう少し被写体に近づくことができる。
次にズームレンズと単焦点レンズの違いを押さえていこう。ズームレンズとは、レンズの焦点距離を変えることができるレンズのこと。1本で、いろいろな焦点距離に設定できて便利だ。レンズキット、ダブルレンズキットなどで同梱されるレンズはほとんどがズームレンズだ
一方、単焦点レンズは焦点距離が固定されているレンズのこと。ズーム機能がないため、カメラマンが被写体に近づいたり離れたりして、調節しなくてはならない。使い勝手は悪いが、性能が高く、ズームレンズと比べてクリアな写真が撮れる。写真の出来にこだわりたい中・上級者向けのレンズともいえる。また、ズームレンズに比べ、小さく、値段が安いのも魅力の1つだ。
最後にちょっと変わった魚眼レンズを見ていこう。魚眼レンズは魚の目のようなレンズ、ではなく、魚から見た視点のように、水の中から水面上を見上げると映る景色のような写真が撮れるレンズ。ほぼ180度の視野を1枚に収めることができる。
言葉で説明すると難しいが、少し前に流行した「はなでか犬」の写真のように近いものを大きく、遠いものを小さく見せ、遠近感を誇張した写真を撮ることができる。また、広角レンズのように、広い範囲を撮影できる。
最近では、普通に撮影した写真を「魚眼」風に変形できる画像処理ソフトもある。魚眼レンズは少々高めなので、おサイフに余裕があれば購入してみても面白いかもしれない。
レンズを購入する前に、気をつけなくてはいけないのが、カメラとレンズの規格を示す「レンズマウント」。レンズマウントとは、カメラとレンズを繋ぐ部分のこと。
形状はメーカーによって異なっているため、通常はキヤノンのレンズをニコンのカメラに取り付けることはできない。また、各社の「レンズマウント」にはそれぞれ規格名が付けられている。そこで、現在デジタル一眼レフカメラで使われている「レンズマウント」名を挙げてみた。
ニコンは「ニコンFマウント」、キヤノンは「キヤノンEFマウント」、ペンタックスは「ペンタックスバヨネットKAF2マウント」という。ソニーはシリーズ名を冠した「αマウントシステム」だ。このほか、パナソニックとオリンパスのレンズマウントは同じで、マウント名は「フォーサーズマウント」。
店員さんに「●●(メーカー)用のレンズを」と伝えればすぐに対応レンズを教えてくれる。ただ、カタログなどをチェックするときは覚えていて損はないだろう。
また、現在持っているレンズの焦点距離なども確認しよう。レンズキットを購入した場合は、大体18-55mm前後の標準のズームレンズが同梱されている。焦点距離があまり重ならないものを中心に、より明るく高性能なレンズを検討してみよう。(BCN・山下彰子)
広角、望遠レンズの真ん中に位置する標準レンズ。デジ一眼のノウハウ本では「標準レンズ=焦点距離50mmのレンズ」とある。では、一体何を基準に「標準」と言っているのだろうか。
これは35mm判カメラを広めたライカが、人間の視野にもっとも近く、遠近感が似ている50mmレンズを「標準」と定めたところから始まる。35mm判の銀塩カメラや、最近話題になっているフルサイズの撮像素子を搭載したデジ一眼で50mmレンズを使用した場合、人間の視野に近い写真が撮れる、ということ。
大半のデジ一眼は、35mmフィルムより、映像を記録する撮像素子が小さいため、写る範囲が狭く、交換レンズの焦点距離表記の約1.5-1.6倍相当の範囲となる。50mmレンズを装着した場合、35mmフィルム換算にすると(50×1.5=)75mmのレンズで撮影したのと同じように、標準よりやや望遠側の写真となるので、覚えておこう。★冬のボーナスで手に入れたいデジタル一眼特集
さっそくレンズの選択へ あなたが撮りたい写真とは……?
交換レンズには、遠くのものを大きく写せる「望遠」レンズ、広い範囲が写せる「広角」レンズ、被写体に近づくことができる「マクロ」レンズがある。また中央を誇張した写真が撮れる「魚眼」レンズもある。マクロレンズ、魚眼レンズとも、実際に見ている映像と少し印象が違う写真が撮れるので、なかなか面白い。
まず、一番分かりやすいのは、遠くのものを大きく撮影する望遠レンズだ。例えば十数メートル先の子どもの顔や、動物などを大きく撮影したい場合は200mm程度の望遠レンズがいいだろう。またバードウオッチングをしたい場合は、300-400mmほど欲しいところ。しかし、望遠レンズは300mmを越えると長く、重く、そして高価になるため、懐と相談しよう。
反対に、集合写真を撮る時、端にいる人が欠けてしまったり、広々とした風景をそのまま写真に収めたい場合は、広角レンズがオススメだ。24-35mmの広角レンズを使用すれば広がりのある写真を撮影できる。
マクロレンズは、よく「花を撮影するレンズ」と言われ、被写体に近づいて大きく撮影できるレンズで、接写レンズともいう。小さいものを大きく撮影しようと被写体に近づくと、カメラと被写体の距離がある程度縮まるとピントが合わなくなってしまう。これはレンズごとに、この距離よりも被写体に近づくとピントが合わなくなる、という最短の撮影距離「最短撮影距離」があるためだ。
レンズキットに同梱されている18-55mmの広角-標準ズームレンズの場合、最短撮影距離は30cm前後。だが、焦点距離50mmほどのマクロレンズの場合、18-23cmぐらいまでに被写体に近づくことができる。なお、この距離はレンズの先から被写体までの距離ではなく、レンズの中心にあるセンサーから被写体までの距離なので、実際はもう少し被写体に近づくことができる。
ズームレンズと単焦点レンズの違いとは?
次にズームレンズと単焦点レンズの違いを押さえていこう。ズームレンズとは、レンズの焦点距離を変えることができるレンズのこと。1本で、いろいろな焦点距離に設定できて便利だ。レンズキット、ダブルレンズキットなどで同梱されるレンズはほとんどがズームレンズだ
一方、単焦点レンズは焦点距離が固定されているレンズのこと。ズーム機能がないため、カメラマンが被写体に近づいたり離れたりして、調節しなくてはならない。使い勝手は悪いが、性能が高く、ズームレンズと比べてクリアな写真が撮れる。写真の出来にこだわりたい中・上級者向けのレンズともいえる。また、ズームレンズに比べ、小さく、値段が安いのも魅力の1つだ。
変り種のレンズ・魚眼レンズで「はなでか犬」を撮っちゃおう!!
最後にちょっと変わった魚眼レンズを見ていこう。魚眼レンズは魚の目のようなレンズ、ではなく、魚から見た視点のように、水の中から水面上を見上げると映る景色のような写真が撮れるレンズ。ほぼ180度の視野を1枚に収めることができる。
言葉で説明すると難しいが、少し前に流行した「はなでか犬」の写真のように近いものを大きく、遠いものを小さく見せ、遠近感を誇張した写真を撮ることができる。また、広角レンズのように、広い範囲を撮影できる。
最近では、普通に撮影した写真を「魚眼」風に変形できる画像処理ソフトもある。魚眼レンズは少々高めなので、おサイフに余裕があれば購入してみても面白いかもしれない。
魚眼レンズで見た世界
レンズを買う前に…… 今もっているレンズとマウントを確認しよう
レンズを購入する前に、気をつけなくてはいけないのが、カメラとレンズの規格を示す「レンズマウント」。レンズマウントとは、カメラとレンズを繋ぐ部分のこと。
形状はメーカーによって異なっているため、通常はキヤノンのレンズをニコンのカメラに取り付けることはできない。また、各社の「レンズマウント」にはそれぞれ規格名が付けられている。そこで、現在デジタル一眼レフカメラで使われている「レンズマウント」名を挙げてみた。
レンズマウント、左はニコン、右はキヤノン
ニコンは「ニコンFマウント」、キヤノンは「キヤノンEFマウント」、ペンタックスは「ペンタックスバヨネットKAF2マウント」という。ソニーはシリーズ名を冠した「αマウントシステム」だ。このほか、パナソニックとオリンパスのレンズマウントは同じで、マウント名は「フォーサーズマウント」。
店員さんに「●●(メーカー)用のレンズを」と伝えればすぐに対応レンズを教えてくれる。ただ、カタログなどをチェックするときは覚えていて損はないだろう。
また、現在持っているレンズの焦点距離なども確認しよう。レンズキットを購入した場合は、大体18-55mm前後の標準のズームレンズが同梱されている。焦点距離があまり重ならないものを中心に、より明るく高性能なレンズを検討してみよう。(BCN・山下彰子)
標準レンズの標準って? 何を基準にしているの?
広角、望遠レンズの真ん中に位置する標準レンズ。デジ一眼のノウハウ本では「標準レンズ=焦点距離50mmのレンズ」とある。では、一体何を基準に「標準」と言っているのだろうか。
これは35mm判カメラを広めたライカが、人間の視野にもっとも近く、遠近感が似ている50mmレンズを「標準」と定めたところから始まる。35mm判の銀塩カメラや、最近話題になっているフルサイズの撮像素子を搭載したデジ一眼で50mmレンズを使用した場合、人間の視野に近い写真が撮れる、ということ。
大半のデジ一眼は、35mmフィルムより、映像を記録する撮像素子が小さいため、写る範囲が狭く、交換レンズの焦点距離表記の約1.5-1.6倍相当の範囲となる。50mmレンズを装着した場合、35mmフィルム換算にすると(50×1.5=)75mmのレンズで撮影したのと同じように、標準よりやや望遠側の写真となるので、覚えておこう。