はじめてのPC用地デジチューナー選び、注意点とオススメ製品紹介
「手持ちPCで地デジ視聴」を実現するPC用地デジチューナー。低解像度でも簡単に装着・視聴できるワンセグチューナーとは違い、PC用地デジチューナーを使うには自作PCのスキルが少し必要。では、PCスキルに自信のないユーザーはどうすればいいのか、新製品と合わせてみていこう。
PC用地デジチューナーとは、解像度1920×1080ドットのフルHD画質のデジタル放送番組を視聴することができ、なおかつ、PCのHDDにデジタル放送番組をハイビジョン画質のまま録画できるようになるPCパーツのこと。なかには、Blu-rayディスク(BD)にダビングできる機能を搭載するモデルも存在する。つまり、PC用地デジチューナーを使えば、液晶テレビ並みの高画質テレビ視聴とHDD・DVDレコーダーの録画・ムーブ機能をプラスできるというわけだ。
そんな魅力的な製品ではあるが、PC用地デジチューナーを搭載するにはPC本体がいくつかの条件を満たす必要がある。例えば、グラフィックとディスプレイは著作権保護システムを満たしているかとか、CPUやOSの性能など、PC初心者には馴染みのない制約が多く、魅力的な製品とは裏腹になかなか障壁が高いパーツといえる。
では、PC初心者はどういうことに気を付けて、PC用地デジチューナーを選べばいいだろうか。まず、PC用地デジチューナーは、PCIやPCI-Expressなどの内蔵タイプとUSB接続の外付けタイプという2つのタイプが存在する。この場合、タイプによる機能の違いはないので、PC初心者には手持ちPCがデスクトップでもノートPCでも接続することができる外付けタイプをオススメする。
特に、手持ちPCはノートPCかディスプレイとPC本体がひとつになった一体型のデスクトップPCがいいだろう。これらのタイプの場合は、「改造することが困難なPC」と定義され、HDCPなど著作権保護システムを気にする必要がなくなるからだ。ただし、表示可能な解像度は手持ちのPCに依存するので注意が必要になる。だが、ハイビジョン画質にこだわらずワンセグ以上の画質を求めるなら、手持ちのノートPC・一体型デスクトップPCとUSB接続の外付けチューナーを組み合わせるのが一番いいだろう。
●自信作の第2弾モデル、外付けタイプ・マック対応モデルがトレンド
4月のPC用地デジチューナーの解禁に伴い、PC周辺機器メーカー各社はすぐに対応機種の開発を表明、5月上旬には第1弾モデルが次々に発売された。しかし、第1弾モデルは急な開発・発売ということもあり、各メーカーは機能の差別化を図ることが難しかった。また、当時は地デジ放送のコピールール「ダビング10」の解禁前だったこともあり、ダビングやムーブ、BDムーブといった録画機能が「対応予定」というアナウンスが目立っていた。
だが、「ダビング10」が7月4日に解禁されたことで、PC用地デジチューナーの使い勝手は飛躍的に向上したといえる。そして、環境が整った夏から秋に掛けて、各社自信作の新製品を発表した。メーカー別にみていこう。
■ バッファロー
バッファローは、USB接続タイプの「DT-H50/U2」とPCI-Expressタイプの「DT-H50/PCIE」の2モデルを新たにラインアップ。バッファロー製品の特徴は、画質を圧縮した複数の視聴モードを搭載し、古いPCやスペックの劣るPCでも、各PCにあった最適な画質で視聴することができる「トランスコード」機能を搭載している点。この機能により、画質の低い視聴モードを選べば、処理性能が満たないPCやアナログ映像出力のPCでも地デジ放送を視聴することができる。
新製品の2モデルはともに、BDへのダビングに対応。春発売のPCI接続タイプ「DT-H50/PCI」と合わせ、全接続タイプでBDへのダビングに対応する。また、2つのチューナーを組み合わせた2番組同時録画には、秋以降に対応する予定だ。
■ I・Oデータ機器
I・Oデータ機器はUSB接続タイプの「GV-MVP/HZ」とPCI接続タイプ「GV-MVP/HX」を用意。4月の解禁当初は、PCI-Expressタイプ「GV-MVP/HS」のみであったが、新製品投入でUSB・PCI-Express・PCIの全接続タイプが揃った。また、3モデルすべてが複数のチューナーを組み合わせて同時録画を実現するマルチチューナーに対応したと発表。なお、同社は「最大8つまで」の同時接続が可能とし、2TBのHDDと組み合わせることで、地上デジタル放送8チャンネルすべての番組を1週間分録画できるという。
USB接続タイプの「GV-MVP/HZ」はACアダプタが不要のUSBバスパワータイプを採用したことで、より省スペースでの設置を可能にした。新製品の2モデルは、BDへのダビング機能は未搭載で、今後アップデートにより対応予定。なお、年内にはUSB接続タイプのMac対応機種の発売を予定している。
■ ピクセラ
ピクセラは、解禁当初からから地上デジタル/BS/110度CSの3波対応モデルや地上デジタル/アナログ対応モデルを用意するなど、完成度の高い製品を揃えた。
新製品では、各メーカーより一足先にMac対応機種「PIX-DT141-PU0」を発表。同製品は、Mac用として初めて地上デジタル放送のハイビジョン番組を視聴できるUSB接続タイプの地上デジタルチューナーで、ハイビジョン映像のデコーダーやコンテンツ保護DRMをMac用として新たに自社開発した。9月上旬の発売当初は視聴機能のみを備え、10月には録画機能、11月には電子番組表による録画予約機能をアップデートにて提供する予定だという。
●各社値下げを敢行、1万5000円前後が中心
各社、新製品では外付けタイプのラインアップが目立った。ワンセグからの乗り換えやPC初心者の囲い込みを狙っているのだろう。それに加え、各社は値下げを敢行。第1弾モデルより5000円前後値下げした価格を設定するなど、ほとんどの機種で2万円を切った。つまり、手持ちのPCに2万円前後のパーツを組み込むだけで、高画質テレビとHDDレコーダー機能を搭載できるというわけだ。
では、実際に売れているPC用地デジチューナーはどの製品なのだろうか、第3回目は液晶ディスプレイとグラフィックボードも合わせて、「BCNランキング」から売れ筋製品をみていこう。(BCN・津江昭宏)
●PC初心者はノートPCと外付けタイプがオススメ
PC用地デジチューナーとは、解像度1920×1080ドットのフルHD画質のデジタル放送番組を視聴することができ、なおかつ、PCのHDDにデジタル放送番組をハイビジョン画質のまま録画できるようになるPCパーツのこと。なかには、Blu-rayディスク(BD)にダビングできる機能を搭載するモデルも存在する。つまり、PC用地デジチューナーを使えば、液晶テレビ並みの高画質テレビ視聴とHDD・DVDレコーダーの録画・ムーブ機能をプラスできるというわけだ。
そんな魅力的な製品ではあるが、PC用地デジチューナーを搭載するにはPC本体がいくつかの条件を満たす必要がある。例えば、グラフィックとディスプレイは著作権保護システムを満たしているかとか、CPUやOSの性能など、PC初心者には馴染みのない制約が多く、魅力的な製品とは裏腹になかなか障壁が高いパーツといえる。
では、PC初心者はどういうことに気を付けて、PC用地デジチューナーを選べばいいだろうか。まず、PC用地デジチューナーは、PCIやPCI-Expressなどの内蔵タイプとUSB接続の外付けタイプという2つのタイプが存在する。この場合、タイプによる機能の違いはないので、PC初心者には手持ちPCがデスクトップでもノートPCでも接続することができる外付けタイプをオススメする。
特に、手持ちPCはノートPCかディスプレイとPC本体がひとつになった一体型のデスクトップPCがいいだろう。これらのタイプの場合は、「改造することが困難なPC」と定義され、HDCPなど著作権保護システムを気にする必要がなくなるからだ。ただし、表示可能な解像度は手持ちのPCに依存するので注意が必要になる。だが、ハイビジョン画質にこだわらずワンセグ以上の画質を求めるなら、手持ちのノートPC・一体型デスクトップPCとUSB接続の外付けチューナーを組み合わせるのが一番いいだろう。
●自信作の第2弾モデル、外付けタイプ・マック対応モデルがトレンド
4月のPC用地デジチューナーの解禁に伴い、PC周辺機器メーカー各社はすぐに対応機種の開発を表明、5月上旬には第1弾モデルが次々に発売された。しかし、第1弾モデルは急な開発・発売ということもあり、各メーカーは機能の差別化を図ることが難しかった。また、当時は地デジ放送のコピールール「ダビング10」の解禁前だったこともあり、ダビングやムーブ、BDムーブといった録画機能が「対応予定」というアナウンスが目立っていた。
だが、「ダビング10」が7月4日に解禁されたことで、PC用地デジチューナーの使い勝手は飛躍的に向上したといえる。そして、環境が整った夏から秋に掛けて、各社自信作の新製品を発表した。メーカー別にみていこう。
■ バッファロー
バッファローは、USB接続タイプの「DT-H50/U2」とPCI-Expressタイプの「DT-H50/PCIE」の2モデルを新たにラインアップ。バッファロー製品の特徴は、画質を圧縮した複数の視聴モードを搭載し、古いPCやスペックの劣るPCでも、各PCにあった最適な画質で視聴することができる「トランスコード」機能を搭載している点。この機能により、画質の低い視聴モードを選べば、処理性能が満たないPCやアナログ映像出力のPCでも地デジ放送を視聴することができる。
新製品の2モデルはともに、BDへのダビングに対応。春発売のPCI接続タイプ「DT-H50/PCI」と合わせ、全接続タイプでBDへのダビングに対応する。また、2つのチューナーを組み合わせた2番組同時録画には、秋以降に対応する予定だ。
■ I・Oデータ機器
I・Oデータ機器はUSB接続タイプの「GV-MVP/HZ」とPCI接続タイプ「GV-MVP/HX」を用意。4月の解禁当初は、PCI-Expressタイプ「GV-MVP/HS」のみであったが、新製品投入でUSB・PCI-Express・PCIの全接続タイプが揃った。また、3モデルすべてが複数のチューナーを組み合わせて同時録画を実現するマルチチューナーに対応したと発表。なお、同社は「最大8つまで」の同時接続が可能とし、2TBのHDDと組み合わせることで、地上デジタル放送8チャンネルすべての番組を1週間分録画できるという。
USB接続タイプの「GV-MVP/HZ」はACアダプタが不要のUSBバスパワータイプを採用したことで、より省スペースでの設置を可能にした。新製品の2モデルは、BDへのダビング機能は未搭載で、今後アップデートにより対応予定。なお、年内にはUSB接続タイプのMac対応機種の発売を予定している。
■ ピクセラ
ピクセラは、解禁当初からから地上デジタル/BS/110度CSの3波対応モデルや地上デジタル/アナログ対応モデルを用意するなど、完成度の高い製品を揃えた。
新製品では、各メーカーより一足先にMac対応機種「PIX-DT141-PU0」を発表。同製品は、Mac用として初めて地上デジタル放送のハイビジョン番組を視聴できるUSB接続タイプの地上デジタルチューナーで、ハイビジョン映像のデコーダーやコンテンツ保護DRMをMac用として新たに自社開発した。9月上旬の発売当初は視聴機能のみを備え、10月には録画機能、11月には電子番組表による録画予約機能をアップデートにて提供する予定だという。
●各社値下げを敢行、1万5000円前後が中心
各社、新製品では外付けタイプのラインアップが目立った。ワンセグからの乗り換えやPC初心者の囲い込みを狙っているのだろう。それに加え、各社は値下げを敢行。第1弾モデルより5000円前後値下げした価格を設定するなど、ほとんどの機種で2万円を切った。つまり、手持ちのPCに2万円前後のパーツを組み込むだけで、高画質テレビとHDDレコーダー機能を搭載できるというわけだ。
では、実際に売れているPC用地デジチューナーはどの製品なのだろうか、第3回目は液晶ディスプレイとグラフィックボードも合わせて、「BCNランキング」から売れ筋製品をみていこう。(BCN・津江昭宏)