どこでも使えるミニPC、ケータイとひと味違う活用法とは?
最近、小型で安いノートPC「ミニPC」の売れ行きが好調だ。代表的な製品はASUSTeK Computerの「Eee PC」だが、そのほかにも日本HP、日本エイサーといったメーカーもこの市場に新製品を投入してきている。その魅力を探りながら、活用方法をまとめた。
●魅力は安さと軽さ、その分機能は割り切ろう
このところ売上急上昇の「ミニPC」。人気の秘密はなんといっても価格の安さにある。今売れているノートPCは10万円台前半のものが多いが、その半額の5万円前後で手に入る。しかも小さく軽い。だいたい1kg前後と、一般的なノートPCの半分から3分の1程度の重さ。大きさもB5サイズ程度だから、いつもカバンに入れて持ち歩いてももあまり苦にならない。
しかし、ミニPCはその「安さ」を実現するため、機能やスペックは抑え気味。例えば、ASUSの「Eee PC 901-X」の場合、バッテリー駆動時間は8.3時間だが、記憶装置の容量は12GB。20GBの無料Webストレージが付属するとはいえ、少々物足りない。一方、120GBのHDDを搭載する日本エイサーの「Aspire one」は、バッテリー駆動時間が3時間と短めだ。
一方、同じモバイルPCとして人気が高い松下の「Lets Note LIGHT Rシリーズ」の最新モデルは、120GBのHDDを搭載して駆動時間は7.5時間と、容量・バッテリーともにバランスよくまとまっている。とはいえ、こういったモバイルノートPCの価格帯は、20万円前後。ミニPCのように気軽に買うというわけにはいかないだろう。
つまり、ミニPCが革新的なのは、小型・軽量で持ち運びが容易なノートPCを、ややスペックダウンしながらも5万円前後で発売した、というところ。そのため、メインのPCというより、モバイル用途で使用する2台目のPCといった用途がしっくりする。それでは、実際にミニPCを購入した際、どんな使い方があるだろうか? 活用方法を考えてみよう。
●コンパクトさを生かすか、逆手にとるか
1.携帯より大きな画面で、通常のノートPCより手軽に
もっとも一般的なのは、外出先でネット接続して使うというものだろう。公衆無線LAN回線や携帯電話回線を使ってネットに接続すれば、公園やカフェでもメールやニュースをチェックできるし、気になった風景をデジカメで撮影し、その場でブログを更新したりと、機動力を生かした使い方ができる。
もちろん、携帯電話でも同様のことができるが、快適さではミニPCに軍配が上がるだろう。例えばWebサイトの閲覧でも、3インチ前後の小さな携帯電話で、あちこちスクロールしながら見るより、8インチ程度の大きな画面をもつミニPCのほうがはるかに使いやすい。さらに、携帯電話ではFlash表示に対応していないものが多いが、ミニPCなら、いつも自宅で見ているサイトをそのまま見ることができる。チューナをつければワンセグも大きな画面で楽しめる。
入力でもメリットは大きい。小ぶりだが両手で打てるフルキーボードを搭載しているから、ちょっとした長文でも楽に素早く入力できる。またOSがWindowsなら、ブラウザやメーラー、ワープロなど、普段使い慣れたソフトが外出先でも同じように使えるというのは意外に便利だ。
今までの外出時のお供といえば、文庫本や携帯ゲーム機などが一般的だったが、低価格の製品が一気に増えたことで、ここにミニPCも仲間入りするかもしれない。街角のカフェに立ち寄り、カバンからミニPCを颯爽と取り出し、ネットやワンセグを楽しむ。そんな使い方も普通になってきそうだ。
2.自宅では使う場所を選ばない! 意外に子どもにピッタリ?
小さく軽いことを武器に外出先で威力を発揮するミニPCだが、自宅でも活躍の場は多い。自宅で使うPCといえば、一度設置した場所からはあまり動かさないで使うことが多いだろう。デスクトップはもちろんだが、ノートPCも省スペースでしまえる据え置きPCとして使うことが多かったからだ。
しかしミニPCほど小さくなれば、持ち運びが容易なため、必要に応じていろんな場所に持ち運んで使える。居間や寝室はもちろん、トイレでPCなんてことも問題なくできるわけだ。無線LAN環境があればなおのこと、文字通りホームネットワークを思う存分活用できるだろう。
子ども向けの用途も考えられる。ミニPCは画面やキーボードのサイズが通常のノートPCよりも小さめで、大人にとっては若干使いにくい。しかし、子どもにとってはそのサイズはむしろちょうどよいとも考えられる。1kg程度なら、重さもさほど問題にはならないだろう。また、誤って壊してしまっても、5万円前後の安さだからダメージは限定的だ。ASUSではEeePCを教育現場でも活用しようと考えており、「子ども用のPC」という面でも利用価値がありそうだ。
このように、ミニPCは持ち運びが簡単で使う場所を選ばないという特性を生かした、さまざまな活用方法が考えられる。ユーザーのアイディアしだいで、楽しみ方が大きく広がるマシンだ。これまでにない、新しいジャンルのノートPCとして、一層拡大していきそうだ。(BCN・山田五大)
●魅力は安さと軽さ、その分機能は割り切ろう
このところ売上急上昇の「ミニPC」。人気の秘密はなんといっても価格の安さにある。今売れているノートPCは10万円台前半のものが多いが、その半額の5万円前後で手に入る。しかも小さく軽い。だいたい1kg前後と、一般的なノートPCの半分から3分の1程度の重さ。大きさもB5サイズ程度だから、いつもカバンに入れて持ち歩いてももあまり苦にならない。
しかし、ミニPCはその「安さ」を実現するため、機能やスペックは抑え気味。例えば、ASUSの「Eee PC 901-X」の場合、バッテリー駆動時間は8.3時間だが、記憶装置の容量は12GB。20GBの無料Webストレージが付属するとはいえ、少々物足りない。一方、120GBのHDDを搭載する日本エイサーの「Aspire one」は、バッテリー駆動時間が3時間と短めだ。
一方、同じモバイルPCとして人気が高い松下の「Lets Note LIGHT Rシリーズ」の最新モデルは、120GBのHDDを搭載して駆動時間は7.5時間と、容量・バッテリーともにバランスよくまとまっている。とはいえ、こういったモバイルノートPCの価格帯は、20万円前後。ミニPCのように気軽に買うというわけにはいかないだろう。
つまり、ミニPCが革新的なのは、小型・軽量で持ち運びが容易なノートPCを、ややスペックダウンしながらも5万円前後で発売した、というところ。そのため、メインのPCというより、モバイル用途で使用する2台目のPCといった用途がしっくりする。それでは、実際にミニPCを購入した際、どんな使い方があるだろうか? 活用方法を考えてみよう。
●コンパクトさを生かすか、逆手にとるか
1.携帯より大きな画面で、通常のノートPCより手軽に
もっとも一般的なのは、外出先でネット接続して使うというものだろう。公衆無線LAN回線や携帯電話回線を使ってネットに接続すれば、公園やカフェでもメールやニュースをチェックできるし、気になった風景をデジカメで撮影し、その場でブログを更新したりと、機動力を生かした使い方ができる。
もちろん、携帯電話でも同様のことができるが、快適さではミニPCに軍配が上がるだろう。例えばWebサイトの閲覧でも、3インチ前後の小さな携帯電話で、あちこちスクロールしながら見るより、8インチ程度の大きな画面をもつミニPCのほうがはるかに使いやすい。さらに、携帯電話ではFlash表示に対応していないものが多いが、ミニPCなら、いつも自宅で見ているサイトをそのまま見ることができる。チューナをつければワンセグも大きな画面で楽しめる。
入力でもメリットは大きい。小ぶりだが両手で打てるフルキーボードを搭載しているから、ちょっとした長文でも楽に素早く入力できる。またOSがWindowsなら、ブラウザやメーラー、ワープロなど、普段使い慣れたソフトが外出先でも同じように使えるというのは意外に便利だ。
今までの外出時のお供といえば、文庫本や携帯ゲーム機などが一般的だったが、低価格の製品が一気に増えたことで、ここにミニPCも仲間入りするかもしれない。街角のカフェに立ち寄り、カバンからミニPCを颯爽と取り出し、ネットやワンセグを楽しむ。そんな使い方も普通になってきそうだ。
2.自宅では使う場所を選ばない! 意外に子どもにピッタリ?
小さく軽いことを武器に外出先で威力を発揮するミニPCだが、自宅でも活躍の場は多い。自宅で使うPCといえば、一度設置した場所からはあまり動かさないで使うことが多いだろう。デスクトップはもちろんだが、ノートPCも省スペースでしまえる据え置きPCとして使うことが多かったからだ。
しかしミニPCほど小さくなれば、持ち運びが容易なため、必要に応じていろんな場所に持ち運んで使える。居間や寝室はもちろん、トイレでPCなんてことも問題なくできるわけだ。無線LAN環境があればなおのこと、文字通りホームネットワークを思う存分活用できるだろう。
子ども向けの用途も考えられる。ミニPCは画面やキーボードのサイズが通常のノートPCよりも小さめで、大人にとっては若干使いにくい。しかし、子どもにとってはそのサイズはむしろちょうどよいとも考えられる。1kg程度なら、重さもさほど問題にはならないだろう。また、誤って壊してしまっても、5万円前後の安さだからダメージは限定的だ。ASUSではEeePCを教育現場でも活用しようと考えており、「子ども用のPC」という面でも利用価値がありそうだ。
このように、ミニPCは持ち運びが簡単で使う場所を選ばないという特性を生かした、さまざまな活用方法が考えられる。ユーザーのアイディアしだいで、楽しみ方が大きく広がるマシンだ。これまでにない、新しいジャンルのノートPCとして、一層拡大していきそうだ。(BCN・山田五大)