色にこだわるデジタル製品続々、今熱いビタミン&五輪カラー
シルバーやブラックが定番のデジタル製品だが、このところグリーンやオレンジ、イエローといった、柑橘類に見られる明るくビビッドな「ビタミンカラー」が注目されている。北京五輪を控え、五輪やスポーツにちなんだ色も人気だ。性能だけでなく、見た目でも選ぶ時代に突入したデジタル製品の「色」について動きをまとめた。
●時代を感じさせる色「グリーン」
まず目立つのは「プロダクトカラーとしては売れない」というのが通説だったグリーン。自然環境を象徴するカラーとして存在感を増してきた。もともとグリーンは、インテリやファッションにおいては定番カラーのひとつ。最近では環境問題に対するメッセージを伝える色として、デジタル製品のカラーリングにも採用され始めている。例えば、デザインにこだわるソニーのコンパクトデジタルカメラ「サイバーショット T2」。ブラック、ホワイト、グリーンの3色をラインアップした。
また、auブランドの携帯電話「infobar 2」もグリーンを採用した代表的製品のひとつ。デザインに定評のあった初代「infobar」も手がけた深澤直人氏が、プロダクトデザインを担当しただけあり、特徴的なデザインと独特なカラーリングが好評だ。ここでも「SILVER」や「WARM GRAY」といったスタンダードカラーに加え、「MIDORI」をラインアップする。また同製品は、4月中旬にミラノで開催された世界最大のインテリア見本市「ミラノサローネ2008」にも出展され、日本を代表するプロダクトデザインのひとつとして紹介された。
デザイン性を重視した製品だけでなく、より幅広いテレビやPC、ゲーム機などにもグリーンを採用する動きが出てきている。薄型テレビでは、シャープの液晶テレビ「AQUOS Dシリーズ」が従来のレッド、ブラック、ホワイトに加え、2月発売の新モデルからグリーン系の深緑をカラーバリエーションに追加、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA M1シリーズ」もフレッシュなグリーンを採用したモデルを発売した。
また、ノートPCでは松下電器産業の「レッツノート」が天板のオプションカラーにグリーンジェイドを用意、そのほか、ソニー・コンピュータエンタテインメントの携帯ゲーム機「PSP」はミントグリーンを新たに追加した。グリーンをカラーバリエーションに採用する動きはジャンルに問わず出てきている。流行色としてだけでなく、定番の色として定着しそうな勢いだ。
●上品な「ピンク」にも人気
さらに注目を集めているカラーが、イエローやピンクといったビビッドな色だ。ファッションの流行色を選定する日本ファッション協会流行色情報センター(JAFCA)は、08年春夏のトレンドカラーのひとつにライト・イエローなど、すっきりとしたきれいな色を選定。間近に迫った北京五輪にちなんだ色も注目を集めており、デジタル製品にも浸透してきている。
特にピンクは、数年前から女性層を意識したカラーとしてデジタル製品にも多く採用されてきた。「春=サクラ=ピンク」というように、春先にはピンクを採用した製品が多く登場している。そのなかでも、今年のピンクは従来の淡いピンクに比べ、発色の強いビビットなピンクが人気を集めている。
アップルの携帯オーディオ「iPod nano」も、08年1月に濃い目のピンクをカラーバリエーションに追加した。BCNランキングでも、シルバーに次いで2番目に人気があるカラーとして上位にランクインしている。
そのほか、富士フィルムのコンパクトデジカメ「FinePix Z20fd」もピンクを採用。ソニーのノートPC「VAIO」はラグジュアリーピンクとピンクリザードの2モデルを用意した。ドコモの携帯電話「D705i」(三菱電機製)ではローズピンクをカラーバリエーションに揃えている。どれも従来のピンクではなく質感や色調を変えるなどして、ややもすると子どもっぽくなってしまうピンクを上品に仕上げているのが特徴だ。
●はつらつとした「イエロー」「ゴールド」のモデルも
一方、イエローは携帯電話やデジカメなどモバイル機器を中心に人気を集めている。特に、携帯電話は最も身近なデジタル製品のひとつで、ファッションカラーやトレンドカラーに1番影響を受けるアイテムと言える。
ウィルコムは、「HONEY BEE」や「nico+」など、若者向けのモデルにイエローを採用。auブランドでもスポーツ機能を強化したモデル「W61CA」(カシオ製)にエスプリイエローを、オリンパスの防水コンパクトデジカメ「μ850SW」もレモンイエローをカラーバリエーションに採用する。イエローは、若者やスポーツ、アウトドアを表現する色として使われているようだ。
また、金メダルを意識してか「ゴールド」を採用したモデルも最近よく見かける。例えば、松下電器産業のコンパクトデジカメ「LUMIX FX35 グロスゴールド」は、BCNランキングの4月月次・販売台数シェアで1位を獲得。同モデルは、シェルホワイトやカクテルピンクなど5色をラインアップするなか、グロスゴールドが最も人気を集めた。そのほか、カシオのコンパクトデジカメ「EXILIM ZOOM EX-Z200 ゴールド」や、ドコモの「N905iμ ビーナスゴールド」など、こちらもデジカメや携帯電話を中心にゴールドを採用したモデルが続々と登場している。
ファッションやインテリアの流行色に合わせたカラーバリーションが増えてきたデジタル製品。徐々にファッション感覚で選べるようになってきた。「どれを選んでも機能的にはほぼ同じ」と感じたら、自分の好きな色やデザインをもとに、大胆に選んでみてはどうだろう。(BCN・津江昭宏)
●時代を感じさせる色「グリーン」
まず目立つのは「プロダクトカラーとしては売れない」というのが通説だったグリーン。自然環境を象徴するカラーとして存在感を増してきた。もともとグリーンは、インテリやファッションにおいては定番カラーのひとつ。最近では環境問題に対するメッセージを伝える色として、デジタル製品のカラーリングにも採用され始めている。例えば、デザインにこだわるソニーのコンパクトデジタルカメラ「サイバーショット T2」。ブラック、ホワイト、グリーンの3色をラインアップした。
また、auブランドの携帯電話「infobar 2」もグリーンを採用した代表的製品のひとつ。デザインに定評のあった初代「infobar」も手がけた深澤直人氏が、プロダクトデザインを担当しただけあり、特徴的なデザインと独特なカラーリングが好評だ。ここでも「SILVER」や「WARM GRAY」といったスタンダードカラーに加え、「MIDORI」をラインアップする。また同製品は、4月中旬にミラノで開催された世界最大のインテリア見本市「ミラノサローネ2008」にも出展され、日本を代表するプロダクトデザインのひとつとして紹介された。
デザイン性を重視した製品だけでなく、より幅広いテレビやPC、ゲーム機などにもグリーンを採用する動きが出てきている。薄型テレビでは、シャープの液晶テレビ「AQUOS Dシリーズ」が従来のレッド、ブラック、ホワイトに加え、2月発売の新モデルからグリーン系の深緑をカラーバリエーションに追加、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA M1シリーズ」もフレッシュなグリーンを採用したモデルを発売した。
また、ノートPCでは松下電器産業の「レッツノート」が天板のオプションカラーにグリーンジェイドを用意、そのほか、ソニー・コンピュータエンタテインメントの携帯ゲーム機「PSP」はミントグリーンを新たに追加した。グリーンをカラーバリエーションに採用する動きはジャンルに問わず出てきている。流行色としてだけでなく、定番の色として定着しそうな勢いだ。
●上品な「ピンク」にも人気
さらに注目を集めているカラーが、イエローやピンクといったビビッドな色だ。ファッションの流行色を選定する日本ファッション協会流行色情報センター(JAFCA)は、08年春夏のトレンドカラーのひとつにライト・イエローなど、すっきりとしたきれいな色を選定。間近に迫った北京五輪にちなんだ色も注目を集めており、デジタル製品にも浸透してきている。
特にピンクは、数年前から女性層を意識したカラーとしてデジタル製品にも多く採用されてきた。「春=サクラ=ピンク」というように、春先にはピンクを採用した製品が多く登場している。そのなかでも、今年のピンクは従来の淡いピンクに比べ、発色の強いビビットなピンクが人気を集めている。
アップルの携帯オーディオ「iPod nano」も、08年1月に濃い目のピンクをカラーバリエーションに追加した。BCNランキングでも、シルバーに次いで2番目に人気があるカラーとして上位にランクインしている。
そのほか、富士フィルムのコンパクトデジカメ「FinePix Z20fd」もピンクを採用。ソニーのノートPC「VAIO」はラグジュアリーピンクとピンクリザードの2モデルを用意した。ドコモの携帯電話「D705i」(三菱電機製)ではローズピンクをカラーバリエーションに揃えている。どれも従来のピンクではなく質感や色調を変えるなどして、ややもすると子どもっぽくなってしまうピンクを上品に仕上げているのが特徴だ。
●はつらつとした「イエロー」「ゴールド」のモデルも
一方、イエローは携帯電話やデジカメなどモバイル機器を中心に人気を集めている。特に、携帯電話は最も身近なデジタル製品のひとつで、ファッションカラーやトレンドカラーに1番影響を受けるアイテムと言える。
ウィルコムは、「HONEY BEE」や「nico+」など、若者向けのモデルにイエローを採用。auブランドでもスポーツ機能を強化したモデル「W61CA」(カシオ製)にエスプリイエローを、オリンパスの防水コンパクトデジカメ「μ850SW」もレモンイエローをカラーバリエーションに採用する。イエローは、若者やスポーツ、アウトドアを表現する色として使われているようだ。
また、金メダルを意識してか「ゴールド」を採用したモデルも最近よく見かける。例えば、松下電器産業のコンパクトデジカメ「LUMIX FX35 グロスゴールド」は、BCNランキングの4月月次・販売台数シェアで1位を獲得。同モデルは、シェルホワイトやカクテルピンクなど5色をラインアップするなか、グロスゴールドが最も人気を集めた。そのほか、カシオのコンパクトデジカメ「EXILIM ZOOM EX-Z200 ゴールド」や、ドコモの「N905iμ ビーナスゴールド」など、こちらもデジカメや携帯電話を中心にゴールドを採用したモデルが続々と登場している。
ファッションやインテリアの流行色に合わせたカラーバリーションが増えてきたデジタル製品。徐々にファッション感覚で選べるようになってきた。「どれを選んでも機能的にはほぼ同じ」と感じたら、自分の好きな色やデザインをもとに、大胆に選んでみてはどうだろう。(BCN・津江昭宏)