徹底解剖∞エダマメ! 無限にプニプニしてみたら……

特集

2008/04/25 09:06

 「やめられない・とまらない」とやみつきになる「∞にできるシリーズ」で玩具の新境地を開拓したバンダイ。第1弾の「∞プチプチ」は、あれよあれよという間に200万個を売り上げる大ヒット商品に「化けた」。2匹目のドジョウを狙う第2弾は「∞エダマメ」。発売日の4月26日がいよいよ明日に迫ってきた。新作は一体どんな「∞」が楽しめるのか、一足先にプニプニしてみた。

●「顔」と無限に付き合う業を背負う。まるで人生のように……

 ∞エダマメは、1個630円。「皮」の部分を押さえるとマメが出てくる。ただそれだけのシンプル極まりないキーチェーン玩具だ。ぷるんと皮からマメが出てくる感触をいくらでも無限に楽しめるのが、唯一にして最大の特徴。これだけでも十分「∞にできるシリーズ」の名に恥じない機能を備えているといえるが、プラスアルファの楽しみもある。初代∞プチプチでは、100回プチプチするたびにオマケ音が出るという「アソビ」が用意されていた。∞エダマメでは「顔」がその役目を果たす。
 

 真ん中のマメに顔が描かれており、マメを出す楽しみに加え、どんな顔が出てくるかという楽しみも加わっている。ただ残念なことに、マメに描かれた表情は、皮から顔を出すたびに変わるわけではない。あらかじめ印刷された顔が何度も拝めるだけという単純なメカニズムだ。12種類+シークレット1種類の計13種類用意されているといわれる「顔」だが、購入した瞬間に13分の1の確率で、どの顔かが決定する。以降無限にその顔と付き合っていかなければならないという業を背負うことになる。まるで人生そのもののようだ。
 

 しかもこの顔、いずれも等しく可愛くない。これもまたある意味でリアルだ。今回試用した∞エダマメには「ひねマメ」というきわめて微妙な表情をした顔が割り当てられた。バンダイが発表している、全12種類の顔のうち、当たってほしいのは「普通マメ」「悲しみマメ」「にこりマメ」あたりであろうか。しかし気になるのは「シークレット」。これら可愛くない通常の顔はあくまでもシークレットの「前フリ」であり、ものすごく可愛らしい顔がリアルに描かれているのではないか……などと邪推してしまう。いずれにせよ、13種類あるわけで、それぞれが同じ個数ずつ生産・販売していると仮定すると、単純計算で13個分の価格、8190円程度の出費を覚悟すれば、「シークレット顔」の真相が明らかになろう。

●「マメ」の質感は本物そっくり、見分けが付かない場合も

 それでは実際に∞エダマメを試してみよう。なお、今回試用したのはサンプル品であり、量産品とは仕様などが異なる場合があることを、あらかじめお断りしておく。
 

 本体のサイズは長さ70mm。比較のために購入したニチレイの冷凍エダマメ「北海道産の枝豆です」よりやや大振りだ。一緒に皿に盛ってみたところ、見分けが付かないかと思いきや、思いっきり色味が異なっており、特徴でもあるキーチェーンの輝きもあり一目でバレバレの状態。さらに、実際のエダマメは表面に産毛があるが、∞エダマメではその部分が省略されている。とはいえ、さすがにエダマメ同士。妙に馴染んでいるのがほほえましい。旬を選び新鮮なエダマメとともに盛り付ければもっと馴染んだことだろう。
 

 一方、マメの質感は非常によく似ている。実際にリアルエダマメの真ん中のマメを8割がた出して保持した状態と、∞エダマメの真ん中のマメを出した状態とを比較してみると、色味こそ若干異なるものの、マメの出具合といい、光沢の具合といいそっくりだ。顔が描かれていなければ見分けが付かないかもしれない。

 さらにマメの状態を詳しく比較すべく、マメのみにしたリアルエダマメと一番上の小ぶりなマメを出した状態を比較してみると、光沢の具合が大変よく似ており全く本物のように見える。こうした見た目のリアルさも、∞にできるシリーズならではだ。
 

●∞シリーズの真骨頂、感触は最高の出来

 次に実際にマメを出す感覚を味わってみる。マメは全部で3つあり、真ん中が最も大きく一番下がその次。一番小さいのが上のマメだ。先ほども紹介したとおり、真ん中のマメのみに顔が描かれている。ちなみにその裏には何も描かれていない。いわゆる「リバーシブル」タイプになっている。右手で遊ぶ際には顔が楽しめる上、左手に持ち替えて遊ぶと、顔のないプレーンタイプで純粋にマメの感触だけを楽しむこことができる。
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 皮の部分を持ち、やわらかく力を入れると、マメがツルリと顔を出す。硬さは、よく茹でたエダマメそのもの。力を入れすぎるとマメが勢いよく飛び出し、どこかへ飛んでいってしまう、やわらか目のエダマメと同じ感覚だ。秀逸なのはマメが出る時の感触。きわめて滑らかにマメが滑り出る、すばらしい仕上がりになっている。バンダイに対し、このような感触を実現するにあたって特殊な薬品などを塗布しているかどうか確認したところ、はっきりとした回答は得られなかった。いずれにせよ、何らかのコーティング処理は施しているようだ。

●電力を一切使用せず、きわめて環境にやさしい設計

 この製品で最も特筆すべき部分は、マメが自然に引っ込む仕組みだ。ここだけはリアルエダマメと全く異なるものの、マメが出っ放しになってしまっては無限に楽しむことができなくなってしまうためやむをえない。さらにすばらしいのは、こうしたギミックを備えながらも、バッテリーなど電力を一切使っていないという点だ。製品の生産時に排出されるCO2はあろうが、一旦購入した∞エダマメでいくら無限に遊んだところで、環境負荷を高める要素は皆無。環境にもやさしい。
 

 ここで、企業秘密ともいわれているマメを引っ込めるギミックについて、その仕組みに迫ってみた。真ん中のマメを少し強引に引っ張り出してみると、3つのマメ達はゴムのような素材でうまくつながれている。このゴムのような素材の力で自然にマメが「元のサヤに収まる」ようになっている。
 

 最後にパッケージも見ておこう。基本コンセプトは∞プチプチと同一で、シリーズ感をしっかり出している。登場するキャラクターも同一で、プチプチが大ヒットしたためか、男性の服装がリッチな感じに進化した。一方女性はエプロンのようなものをしており、もしかするとヒットした前作で資金を得た2人は結婚したのかもしれない。∞玩具で遊んで涙を流し喜んでいる様は前回と共通したコンセプトが生きている。
 

 バンダイでは∞エダマメの販売目標を、9月までで100万個に設定している。主なターゲットは20代?30代の男女で、雑貨店、百貨店、専門店の玩具売場や玩具専門店等で販売していく。さらに同社は、「∞にできるシリーズ」として、第3弾、第4弾と増やしていく方針だ。すでに次回作はほぼ決まっている模様で、第3弾は年内にも発売する予定だという。次回作も楽しみだ。(BCN・道越一郎)