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人気のデジタル写真立てが演出する新しいデジカメ写真の楽しみ方

特集

2007/12/21 12:11

 デジタルカメラで山ほど写真は撮ったけれど、さてそれをどうしよう? PCで見ておしまいではもったいないし、かといってプリントするのは金がかかって面倒……。そこで今、脚光を浴びているのが「デジタルフォトフレーム」、いわば「デジタルな写真立て」だ。家電量販店でも専用のコーナーを設置するなどして、販売に力を入れている。人気の理由や、主だった機能や製品などをみながら、新しいデジカメ写真の楽しみ方も紹介しよう。

●「1つあれば何枚も楽しめるから便利」――デジタル写真立て人気の理由

 デジカメで撮った写真を楽しむ方法はいくつかある。「PCのモニタに表示して」「DPE店や家庭のプリンタでプリントして」「ホームページやブログに公開して」といったところが主流ではないだろうか。とはいえ、何十枚、何百枚もの写真をプリントすると、整理や保管が大変だ。プリント代も少なからず負担になる。PCのモニタで見たり、ホームページに公開したりするには、そもそもPCが必要だし、それもかなり面倒。

 そのため、プリントせず、いちいちPCも使わずに、SDカードやCFカードなどの記録メディアから直接、デジタル写真を大きく美しく表示して鑑賞したい、というニーズが広がっているようだ。そこで活躍するのが、「デジタルフォトフレーム」「デジタルイメージフレーム」と呼ばれている「電子写真立て」。

 「デジタルフォトフレーム」はその名のとおり、デジタル写真を表示するための額縁。従来の写真立てのプリントした写真を入れる部分が、液晶画面に置き換わったと考えればいい。そこにデジタル写真を表示して鑑賞する、という仕組みだ。JPEG形式の写真データが入った記録メディアを直接入れれば、画像が表示される、という手軽さが特徴。机上で立てて使用することも、壁掛けで使用することもできる。

 このところ、家電量販店などでは専用のコーナーを設置するところが目立ち始めており、来店客の反応も上々だという。都内のある家電量販店の相談員は「プリントして写真立てに飾るのもいいが、一枚しか飾れないのが難点。デジタルフォトフレームならプリントする必要もなく、多くの写真を1台で楽しめるので便利」と人気の理由を教えてくれた。



●スライドショーや音楽再生などの機能を備えた機種も

 現在、市場には数社の製品があり、画面サイズも5.6インチから15インチクラスのものまでと幅広い。フレーム部分のカラーや材質にもそれぞれ違いがあり、インテリアや用途に合わせて選べるまでバリエーションが広がってきた。画像データを表示する小さなモニタと考えれば、いずれの製品も同様の機能を持っているが、細かいところでは、いろいろと違いがあるようだ。

 まず、スライドショー機能。ほぼすべての機種がスライドショー機能を搭載しているが、スライドパターンの数に違いがある。もちろん、パターン数が多いほうが、さまざまな演出のスライドショーが楽しめることになる。

 そして、音楽再生機能。MP3形式の音楽ファイルを写真とともに再生できる製品も販売されている。これなら写真をスライドショーで再生しながら、BGMに音楽を流す、といった使い方もできる。ただし、製品に内蔵メモリがないと、写真鑑賞と音楽再生を同時に行うことはできないので注意が必要だ。

 また、USBポートを備えているかどうか、という点でも違いがある。USBポートを装備している機種では、PCとUSBケーブルで接続して、記録メディアを読み書きするためのカードリーダーとしても使用することができる。内蔵メモリ搭載機種なら、USB経由で、PCから内蔵メモリに写真や音楽を取り込むことも可能だ。

 ほかにも、目覚ましとして使えるアラーム機能を搭載した機種や、写真のなかで強調したい部分をズーム表示できる機種を搭載した製品もある。また、JPEG画像だけでなく、MPEG-1、2、4に対応し、動画を再生できるモデルも販売されている。


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●決め手は、画面サイズとフレームデザイン、画質は売り場で確かめてから

 気になる液晶画面の表示品質だが、同じ画面サイズであれば、それほど極端な機種ごとの差はないようだ。画面解像度も、5.6インチなら320×240ピクセル、10.4インチなら640×480ピクセルと、どの機種もほぼ共通している。ただ、なかには8インチで800×600ピクセルという高精細な機種もある。液晶の明るさ、発色などには多少の違いがあるので、購入の際には店頭で見比べてから決めたい。

 フォトフレームという製品の性格上、もっとも好みが別れるのが、フレーム部分のデザインだろう。白、黒、透明、ツートンカラーのアクリルフレームから、ウッドフレーム、着せ替えできるフレームなど、さまざまなタイプがある。機種選びのポイントは、画面サイズとフレームのデザインが重要な決め手となるだろう。

 ところで、こうしたデジタルフォトフレームがどのような使われ方をしているかだが、一番多いケースは、自宅で、自分で撮ったデジカメ写真を鑑賞したり、ディスプレイしたりといった用途だろう。

 5.6インチの画面サイズなら、机上に飾っておいてもそれほどスペースはとられない。表示する写真をスライドショーで自動的に切り替わるようにしておけば、常に目新しさがあって、プリントした写真を写真立てに入れて並べておくよりも楽しめるはずだ。

 10.4インチや15インチの大画面サイズを壁にかければ、立派な作品展示にもなる。大きく引き伸ばしてプリントした写真をフレームに入れて飾り、季節や気分で掛け替える手間と費用を考えると、デジタルフォトフレームのほうが使い勝手は上かもしれない。


●結婚・出産祝いのプレゼントとしても、用途は以外に多そう

 自分で楽しむ以外に、プレゼントとしてデジタルフォトフレームを贈る、というのもいいだろう。結婚や出産を機に写真を撮る機会は間違いなく増えるもの。結婚祝いや出産祝いのプレゼントとしては、なかなか気が利いているのではないだろうか。

 また、故郷の祖父母にデジタルフォトフレームを贈っておき、時々孫の写真を納めた記録メディアを送って、孫の成長を写真で見てもらう、といった使い方もありそうだ。写真を表示するというシンプルな機能に徹していることで、かえってお年寄りにも操作しやすいインターフェイスを実現している。

 商店などでは、店頭ディスプレイとしてデジタルフォトフレームを活用する使い方もありそうだ。JPEG画像なら表示可能なので、PCで作成した商品の販促POPや広告コピー、イメージイラストなどを、JPEG画像として記録メディアに保存して、デジタルフォトフレームでスライドショー再生させてお客さまにアピールする、といった使い方もできるだろう。

 ただし、デジタルフォトフレームにも難点がないわけではない。それは、画面を表示するためには電源が必要だということ。まだバッテリーで動くタイプはまだ発売されておらず、コンセントのある場所でしか使えない。ただ、「電池で動くものはないのかというお問い合わせは多く、そのうちにどこかのメーカーが売り出すのではないか」(同)という声も聞かれた。また、液晶モニタである以上、24時間・365日点灯しっぱなしで使うことには、液晶の劣化やバックライト切れといったトラブルは覚悟しておく必要がある。

●主流は5.6?8インチの机上に立てて使えるタイプ

 最後にさまざまなタイプのデジタルフォトフレームがあるなかで、代表的なモデルをいくつか紹介しよう。

<日本ポラロイド IDJ-0560>
 5.6インチ液晶で、320×234ピクセルを表示。8パターンのスライドショーを搭載。スライドショーの間隔も、3秒?1分の間で5段階で調節可能。1?16倍のズーム機能も搭載する。シンプルな白いフレームと場所を選ばない画面サイズで、結婚式のプレゼントとしても人気。実売価格は1万円台前半。

<磁気研究所 ST-PF070D1>
 7インチ液晶で、480×234ピクセルを表示。8MBの内蔵メモリを搭載し、音楽再生しながらスライドショーが楽しめる。動画再生にも対応。白と黒のフレームを同梱し、フレームの着せ替えが可能。カレンダー・時計・アラーム機能を内蔵するなど多機能が特徴。実売価格は1万円台半ば。

<ドリームメーカー DMF080WS>
 8インチ液晶で、800×600ピクセルの高精細SVGA表示が可能。128MBの内蔵メモリを搭載し、音楽を再生しながらのスライドショーが楽しめる。実売価格は2万円台後半。

 デジタル写真の新しい楽しみ方として、これからはデジタルフォトフレームで鑑賞する、あるいは、デジタルフォトフレームを贈って写真鑑賞を楽しんでもらう、というスタイルも案外楽しいのではと思う。写真立てを並べて飾る代わりに、デジタルフォトフレームでスライドショー、というのはいかがだろうか? (フリーライター・中村光宏)