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気分は近未来! 室内と公園でヘッドマウントディスプレイを試す

特集

2007/12/18 12:30

 一見、普通のサングラスをかけているだけの人物。しかしそのレンズは、コンピュータが送信する情報を表示している……。映画のようなそんな光景を実現するのが、ヘッドマウントディスプレイだ。ヘッドマウントディスプレイとはどのようなものか、実際の使い心地はどんなものか。実機で徹底検証した。

■iPodの映像を迫力の大画面で

 ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)とは、頭部に装着するディスプレイのこと。通常はメガネのような形で、レンズに当たる部分がディスプレイとなって、接続したプレーヤーから映像を出力する。目の前に映し出すことで、映像を「大画面」で楽しむことができるのが醍醐味だ。とはいえ、あまりお目にかかることのない製品なので、どんなものかいまいちわかりづらい。そこで、美貴本のHMD「iTheaterV」で、実際の使い勝手を検証した。

 「iTheaterV」は、VGA(640×480)の解像度を持つHMDだ。大きな特徴は、動画再生に対応するiPodと接続して映像を視聴できる点。ただし、接続できるのは第5世代までのiPodに限られ、iPod nanoやiPod classic、iPod touchには対応していない。

 実際に映像を視聴するディスプレイ部とプレーヤーを接続するコンバータ部に分かれ、ディスプレイ部のメガネのツルに付いたカナル式のイヤホンで音声を視聴する。コンバータ部とプレーヤーをつなぐケーブルは、DVDプレーヤーやゲーム機を接続するRCAケーブルとiPod専用ケーブルの2種類がある。電源はバッテリ方式で、専用のUSBケーブルをPCと接続して充電。フル充電で、約4?5時間の視聴ができる。


■眼前に広がる大画面を堪能

 まずは「iTheaterV」をDVDプレーヤーに接続して、映画ソフトを鑑賞。起動ボタンを押すと、目の前にメニュー画面が広がる。画面は少々暗いが、細かい文字なども問題なく読み取ることができ、それほど気にならない。映画を見ると、やはり目の前に広がる大画面の臨場感は「スゴイ!」の一言。視界がシャットアウトされるぶん、映像に没頭できる。画質はハイビジョンではないものの、高精細で満足できるレベルだ。

 次にゲーム機「PlayStation2」に接続してゲームを楽しむ。実際に自分がゲームの世界にいるかのような臨場感で、ふだんテレビでプレイするときよりも集中できる。ただ、動きの速いアクションゲームでは、軽い乗り物酔いの状態になってしまった。このあたりは、多少慣れが必要かもしれない。また、メガネをかけた上からiTheaterVを装着すると、画面がズレて見えづらいことがあった。

■外で使ってみる

 前述のとおり、iTheaterVは、iPodと接続して映像を鑑賞することができる。iTheaterVはケーブルと合わせても300g強で、十分持ち運べる重さだ。外でも大画面を堪能したいという気持ちに駆られ、iTheaterVとiPodを抱えて表に出た。

 やって来たのは昼下がりの公園。秋の日差しが暖かく、散歩にきた家族連れや休憩中のサラリーマンで賑わっている。周囲を気にしつつ、勇気を出して「iTheaterV」を取り出して装着。一瞬、周囲のうさんくさいものを見る刺すような視線を感じたが、一度映像を再生してしまえば、視界を覆い尽くす大画面に没頭してほとんど気にならない。

 外で映像を視聴する機器には、ワンセグ対応の携帯電話や携帯オーディオ、携帯ゲーム機などがある。それらの多くは晴れた日の屋外では、周りの明るさと比べて液晶画面が暗く、見えにくい。その点、iTheaterVは光が入ってこないので、画面がはっきり見える。ただし、視野がさえぎられ周りの様子がわからなくなるというデメリットがある。装着したままで道を歩くのは危険なので、くれぐれも注意してほしい。


 室内でも外でも、場所を問わず映像を視聴できる「iTheaterV」。大画面を省スペースで楽しめるメリットは、計り知れない。HMDはまだまだ市民権を得ているとはいえないが、その楽しさをぜひ体験してもらいたい。(シーコースト・パブリッシング・星政明)