この端子は何なんだ? 薄型テレビ初心者のための徹底端子講座
■端子を極めて、DVDや録画したテレビ番組をきれいな映像で観よう
テレビに接続する機器で一番多いのはやはりHDD・DVDレコーダー/プレーヤーで、次に多いのは家庭用ゲーム機だろう。どちらも「コンポジット端子」や「S端子」「D端子」など映像をやりとりする端子に接続する。
「コンポジット端子」は、映像端子としてはもっとも一般的。丸くて黄色い映像端子に、同じ形の赤(右)と白(左)の音声端子がくっついていることが多い。ビデオデッキや家庭用ゲーム機をテレビに接続するときに使った覚えがある人も多いだろう。この端子は映像の輝度信号と色信号をいっしょに伝送し、テレビが高解像度の場合、映像に「にじみ」や「ボケ」が発生し画質が低下する。さらに劣化しやすいアナログ信号をやりとりするので、ケーブルの品質や長さによっても画質が左右される。
「S端子」は輝度信号と色信号を分けて伝送し、コンポジット端子に比べて画質の低下が少ないきれいな映像が楽しめる。D端子はさらに色信号を青の色差と赤の色差に分離して伝送するため映像の劣化が少ない。対応する解像度ごとにD1(480i)からD5端子(1080p)までの種類があり、D3端子(1080i)以降がハイビジョンに対応する。D5端子がもっとも高い解像度の映像を伝送できるが、一部の大型高級テレビにしか搭載されていない。また下位互換を持ち、例えばD4端子はD1?D4端子までのすべての解像度を伝送できる。S端子とD端子はコンポジット端子よりきれいな映像が楽しめるが、どちらの端子もやりとりするのはアナログ信号なので画質の低下は避けられない。
そのほか映像端子には「i・LINK端子」がある。デジタルビデオカメラやレコーダーなどを接続する端子だが、接続する機器によって規格が異なり、搭載するテレビも少ない。
■ハイビジョン時代に欠かせない「HDMI端子」とは?
映像端子で外せないのがデジタル信号を伝送する「HDMI端子」。1080pの解像度まで対応し、ハイビジョン映像を劣化させずにそのままの画質でやりとりできる。比較的新しい規格の端子だが、最近は一部の小型モデルを除き、ほとんどのテレビが搭載している。また音声も同時に伝送するので、機器同士との接続がケーブル1本でできるというメリットもある。
さらにテレビに接続した複数の機器をテレビのリモコン1つで操作できる「リンク機能」が使えるようになるのもHDMI端子の大きな特徴の1つ。テレビのリモコンでレコーダーの再生や録画を操作したり、サラウンドシステムの音量を調節したりできる機能だ。松下電器産業やシャープは「VIERA Link(ビエラリンク)」や「AQUOSファミリンク」という名称をつけている。
レコーダー以外でもHDMI端子を搭載し、テレビに接続できる機器が増えている。例えばソニーのデスクトップPC「テレビサイドPC TP1」や富士通の「リビングPC FMV-TEOシリーズ」などだ。テレビにPC画面を映し出し、インターネットを大画面で楽しんだり、テレビ番組をPCのHDDに録画したりといろいろと便利な使い方ができるようになる。
■端子を極めて、テレビをインターネットにつなげて便利に使おう
映像端子以外もチェックしよう。最近の薄型テレビはインターネットにつなぐ「LAN端子」や、HDMI端子以外でPCと接続する「PC接続端子」など便利な端子を備えている。
「LAN端子」は読んで字のごとくLANに接続するための端子だ。LAN端子でテレビと、ブロードバンドルータやモデムを接続することでWEBブラウジングを楽しむことができる。また「アクトビラ」などの映像配信サービスや、NHKの「データオンライン」など地デジの双方向サービスも楽しめる。
「PC接続端子」はテレビにPCを接続する端子で、接続したテレビはPCのモニタとして使用できる。なお「PC接続端子」は便宜的に使用されている名称で、メーカーによって異なる端子を採用しているので注意が必要だ。現在の主流の端子は、PCのディスプレイ端子に相当するアナログRGB入力の「D-Sub15ピン」タイプの端子と、デジタル・アナログ兼用の「DVI端子」の2種類。
ハイビジョンのテレビ番組が増え、それらを録画するレコーダーもハイビジョンに対応するモデルが主流だ。またブルーレイやHD-DVDといった映画などのハイビジョン画質の次世代DVDソフトを楽しめるレコーダーも増えてきた。この機会にテレビの端子を見直して、ハイビジョンに対応する端子につないでいるか確認してみてはどうだろうか。すでにハイビジョンが楽しめる端子につないでいるという人には、インターネットに接続して地デジの双方向サービスを試してみたり、PCのディスプレイ代わりにするといった別の楽しみ方もおすすめだ。