|
|
これまで、PCのデータ記録装置はHDDが主だった。しかし昨年ソニーが発売したモバイルPC「VAIO typeU」を皮切りに、HDDの代わりに半導体のフラッシュメモリを記録装置として採用したPCが台頭しつつある。 |
フラッシュメモリを搭載するメリットとして、まず、データ読込み時間の速さが挙げられる。HDDは磁気ヘッドでディスクのデータを読み書きするが、読込み時にデータの記録位置をディスクから探して、磁気ヘッドを移動するぶん、時間がかかる。直接データを読み込めるフラッシュメモリは、PC動作がスムーズなのだ。 耐衝撃性も特徴の一つ。HDDは何らかのきっかけで強い衝撃が加わると、内部の磁気ヘッドがディスクにキズをつけてしまい、データが読み取れなくなることがある。フラッシュメモリは、データをディスクに記録する仕組みではないので、衝撃に強い。 また、省電力性にもすぐれている。ディスクを常時回転させたり、磁気ヘッドを頻繁に移動させたりする必要がないので、HDDと比べて大幅に消費電力を抑えることができる。重量が軽いことも大きな利点だ。 これらのメリットは、主にモバイル用途で威力を発揮する。実際、フラッシュメモリ搭載モデルは前述の「VAIO typeU」や東芝の「dynabook SS RX1」など、モバイルPCが多い。 | | | | 東芝 dynabook SS RX1 RX1/T9A 12.1型ワイドのモバイルノートPCでは世界一の軽さ・薄さを実現 | | | | ソニー VAIO typeU VGN-UX71 スライド式のキーボードを内蔵。グリップを持って操作する新スタイルのモバイルPC | | | | |
|
| 容量の面では、まだまだHDDに軍配が上がる。現行モデルのフラッシュメモリの最大容量は64GBと、少々心もとない。また、価格も、HDDよりも高価だ。しかし、フラッシュメモリは大容量化と価格の下落が進んでいる。フラッシュメモリ搭載PCが主流になるのも、そう遠い日ではないかもしれない。 | | | NEC VALUESTAR N VN570/JG フラッシュメモリとHDDの両方を内蔵。地上デジタル放送の視聴と録画に対応する | |
|
|
|
ご自宅でネットワークを組もうと考えている人は多いだろう。同じ建物の中にあるPCやプリンタなどを接続してLAN環境を作れば、データのやり取りが簡単になる。「有線LANはケーブルの配線が面倒だし、かといって無線LANは設定が難しそう」……そんな不安を抱いている人におすすめなのが、PLC*だ。 PLCとは「高速電力線通信」のこと。家庭の電力線をLANケーブルの代わりに利用してネットワークを構築する新しい通信技術だ。映像や音声などの情報データを高周波の信号(4MHz?30MHz)に変換して電力線に乗せ、双方向の通信を行うことができる。 自宅のコンセントに機器のプラグを差し込むだけで手軽にネットワークに接続でき、配線や細かい設定の手間がないことが大きな特徴だ。 PLCを利用するには、ADSLや光ファイバーなどのブロードバンド回線が開通している必要がある。PLCアダプタの親機をモデムに接続して、コンセントに差し込めばネットワーク接続ができるようになる。PCなどを接続するには、コンセントにPLCアダプタの子機のプラグを差し、子機とPCを接続する。2階建ての家や地下室など、電波が遮断されて無線LANが届きにくい家屋に適している。 |
|
PLCは、昨年末に実用化されたばかり。PLCアダプタは親機、子機ともに外付けHDDくらいの大きさで、まだ使い勝手がいいとはいえないが、いずれ小型化し、モデムやPC本体に内蔵する可能性が高い。PCの電源をコンセントに差し込んで、すぐにインターネットが利用できるようになるかもしれない。PLC経由でオーディオとスピーカーを接続して、家の中の好きな場所で音楽を楽しめる製品も登場するなど、さまざまな可能性を秘めている。 |
| | | | | パイオニア musictap 「サウンドステーション」に接続した携帯オーディオやPCの音楽を、電力線経由で「ネットワークスピーカー」で再生する | | バッファロー PL-HDP-L1/S PLCアダプタ親機と子機のセット。最大55Mbpsの高速通信を実現する | | パナソニック BL-PA100KT 親機1台と子機2台がつき、はじめてPLCを導入するのに最適なPLCアダプタ | |
|
|
|
一般に、液晶テレビはスポーツやアクション映画などの動きが速い映像を映すと、残像が出ると言われている。実際、ニュース番組で流れるテロップを見ると、文字がブレていることに気づくだろう。しかしいま、この弱点が克服されつつある。最新の液晶テレビが採用するブレを抑える画期的な技術が「高速液晶」だ。 テレビは、静止画を連続して高速表示することで映像をつくりだす。本の端に連続した絵を描き、それをパラパラとめくると絵が動いているように見えるのと同じ原理だ。一定時間に表示する静止画の数が多いほど、映像の動きは滑らかになる。テレビ映像は、通常1秒間に60コマだが、液晶テレビで速い動きを表示すると、コマ数が動きに追いつかず残像が発生してしまう。 高速液晶はコマとコマの間に新たに1コマ分の静止画を生成し、挿入する。1秒間のコマ数を120コマにすることで残像を抑え、滑らかで自然な動きを実現する。前述のパラパラマンガで例えるなら、絵を描くページ数を増やし、めくるスピードを速めて、絵の動きを滑らかにする仕組みだ。 |
|
コマ挿入の技術は、各社さまざまだ。例えば東芝「レグザH3300」の場合、フルHD画質のコマを挿入することで、ブレを抑えつつ映像を高画質化する。ソニーの「ブラビアJ5000」は、ドラマのアクションシーンやスポーツ番組だけではなく、1秒間に24コマの映画フィルムをテレビで映し出すときに生じる輪郭のユレを抑えて、クリアな画質にする。高速液晶技術を導入しつつ、動画応答速度の速い独自の液晶パネルを採用し、より滑らかな動きを再現するシャープの「AQUOS G」のような機種もある。さらに各社とも独自技術を投入しているが、60コマを120コマに変換するという基本は変わらない。 従来の液晶テレビに比べて高価だが、実際に映像を見れば「高速液晶」技術の効果はすぐにわかる。液晶テレビ選びで迷っているなら、「高速液晶」をチェックしてみるのも手だ。 |
| | | | | シャープ AQUOS G LC-52GX3W コントラスト比と視野角がアップした「倍速ASV液晶パネル」を搭載 | | ソニー BRAVIA J KDL-40J5000 独自のアルゴリズムでコマの間に新たな静止画をつくりだし1秒間120コマの映像にする「モーションフロー」対応 | | 東芝 REGZA H3300 52H3300 「液晶駆動用LSI」採用で、より緻密で滑らかな映像表現を実現。新構造の「VA方式液晶パネル」を搭載 | |
|
|
|
現金を使わずに買い物をしたり、インターネットショッピングの決済をしたりできる電子マネー。ICチップを埋め込んだ専用のカードを読取り機にかざすだけで、手軽に支払いができるのがメリットだ。 現在、電子マネーは11種類。用途で「買い物タイプ」と「乗り物タイプ」に分けられる。「買い物タイプ」はクレジットカード業者などが発行し、スーパーやコンビニなどの買い物に使うことができる。「Edy」や「nanaco」などがこのタイプ。「Suica」や「PiTaPa」などの「乗り物タイプ」は交通機関が発行し、乗車料金が支払えるほか、対応店舗で買い物もできる。 また、事前に現金をチャージする「プリペイドタイプ」と、使った金額をあとからまとめて請求される「ポストペイドタイプ」がある。前者の代表は「PASMO」で、その場で清算できるのが特徴。後者は「QUICPay」や「Visa Touch」などが代表で、クレジット機能をもった電子マネーだと考えればいい。「ポストペイドタイプ」は現金をチャージする手間がかからないが、後払いなのでうっかり使いすぎるおそれがある。 |
|
携帯電話で電子マネーを使用できるのが「おサイフケータイ」だ。「ICOCA」と「PiTaPa」、「WAON」以外の電子マネーはおサイフケータイに対応しているが、それぞれ対応する携帯キャリアが異なるので注意しよう。 電子マネーの種類によっては、特定の店舗でポイントやマイル、割引などの特典がつくことがある。例えば、セブンイレブンで「nanaco」を使って買い物すると、100円につき1円分のポイントがつく。また、特定のクレジットカードとセットで使えば、チャージが自動でできたり、買い物でもらえるポイントが倍になったりすることもある。自分のライフスタイルに合わせて、もっともお得な電子マネーを選ぼう。 |
|