プリンタをみんなで使おう! インクジェットプリンタを共有する
●1台のプリンタを共有するにはネットワークが必要
一般的にプリンタは、直接接続したPCからしか利用できない。そのため、印刷が必要になると、作成した文書や表をUSBメモリなどでコピーして、プリンタが接続されたPCで印刷するか、プリンタをわざわざ別のPCに接続し直さなければならない。
最近のインクジェットプリンタは、スキャナやコピー、さらにFAX機能などを備えているので、いろいろ便利に使える。しかし、そのために、わざわざ接続し直すのもかなり面倒だ。そこで、プリンタを複数PCから直接使えるように設定してみよう。
1台のプリンタを複数台のPCで使うためには、プリンタとそれぞれのPCが何かしらの方法でつながっていなければならない。つまり、家庭の中にあるPCのネットワーク化が前提なのだ。まず、プリンタと個々のPCを接続する方法を考えてみる。
●Windowsの共有機能を利用してネットワーク共有する
プリンタや複数台のPCをつなぐには、2つの方法がある。1つはLANケーブルとHUBで物理的に各PCとプリンタを接続する方法だ。最近、ほとんどのPCがLANアダプタを内蔵しているので、ケーブルの長さや取り回しの問題を別にすれば、複数のPCを簡単に接続できる。
もう1つは、ケーブルの代わりに無線LANを使う方法だ。最近では、インターネットに接続するためのルータと無線LANが一体になった無線ルータを使用していること多い。また、ノートPCは標準で無線LAN機能を搭載している。無線LANならば、ケーブルの配線に煩わされることがないのがうれしい。
PCをケーブルや無線LANでつなぐ場合、図1のようにケーブルとHUBと呼ばれる装置が必要だ。2台だけなら、PC同士を直接つなぐことも可能だが、一般的にはHUBを使って接続する。したがって、ケーブルとHUBはPCネットワークには最低必要な道具ということになる。一方、無線LANの場合には、無線LAN本体がHUBの役割も担う機種がほとんどなので、HUBは必要ない。
つまり、複数台のPCは、
(1)LANケーブルとハブでPCをつなぐ
(2)無線LANでPCをつなぐ
どちらかの方法で、各PCを接続して相互にデータを利用できる。しかし、これらの方法でPCを接続できても疑問が残る。肝心のプリンタはどこに接続すればよいのだろうか?
ネットワークに接続したPCであれば、どれにでもプリンタを直接接続すればいい。それをみんなで共有するのである。これが簡易的なプリンタの共有方法。この機能はWindows VistaやWindows XPには標準搭載されているので、設定さえ行えばいつでもプリンタが共有できる。
ところが、この方法にはウイークポイントが1つある。プリンタを使うためには、接続されているPCの電源を入れておかなければならないのだ。つまり、図2で説明すれば、娘や息子がプリンタを使う場合、常に「父親のPC」も起動していなくてはいけない。これは面倒だし、電気代もかかる。
●プリンタを共有するもう1つの方法「プリントサーバー」
そこで登場するのが、「プリントサーバー」という機器だ。プリントサーバーと言うと難しそうな機器のように思うが、小さなアダプタのようなもの。USBポートとLANポートが装備されているので、プリンタをUSB接続して、プリンタサーバーをLANケーブルでハブに接続すれば、ネットワークに接続した各PCからプリンタが利用できる。価格は機能によって異なるが、数千円から1万円前後と手頃だ。
プリントサーバーにはさまざまな種類があり、2台のプリンタを共有できるものや、無線LANに対応したものがある。無線LANに対応するプリントサーバーを使えば、すべて無線LANでネットワークを構築できるので、ケーブルを引く必要はない。通信状況に左右されるが、戸建ての場合なら1階と2階での共有も可能だ。
●最適なプリンタ共有方法を見つけよう!
このように、ネットワーク対応でないインクジェットプリンタを共有する方法は、PCのプリンタ共有機能を使う方法と、プリンタサーバーを利用する方法がある。
PCのプリンタ共有機能を使う場合には、新たにケーブルを購入するだけなので、もっとも安くプリンタを共有することができる。また、Windowsの機能を利用するため、設定もウィザード形式で簡単に行えるのが魅力。ただ、利用する際に、接続しているPCの電源も入れておかなければならないというウイークポイントがある。
それに対して、プリンタサーバーを導入した場合、わざわざ特定のPCの電源を入れる必要はなく便利だが、コスト的にはプリンタサーバーの購入費用がかかってしまう。
それぞれのメリットとデメリットを踏まえて、利用する状況や頻度などから最適な共有方法を選択しよう。