高機能ヘッドホンでイイ音を備えたソニー「ウォークマンEシリーズ」
<strong>――そのクリアなサウンドを体感してみた</strong><br /><br /> 軽量・コンパクトで、スタイリッシュなカラーリングが魅力の携帯音楽プレーヤー「ウォークマンEシリーズ」。カナル(耳栓)タイプの高機能なヘッドホンを標準装備し、音質のよさと使いやすさを追及した、ソニーこだわりのモデルだ。この「NW-E015」を実際に使用し、屋外のさまざまなシチュエーションでの使い勝手を検証。特に、音質については、他のヘッドホンや音楽ソースの違いによる聴き比べも行ってみた。
――そのクリアなサウンドを体感してみた
軽量・コンパクトで、スタイリッシュなカラーリングが魅力の携帯音楽プレーヤー「ウォークマンEシリーズ」。カナル(耳栓)タイプの高機能なヘッドホンを標準装備し、音質のよさと使いやすさを追及した、ソニーこだわりのモデルだ。この「NW-E015」を実際に使用し、屋外のさまざまなシチュエーションでの使い勝手を検証。特に、音質については、他のヘッドホンや音楽ソースの違いによる聴き比べも行ってみた。
●大口径13.5mmのユニットを搭載したヘッドホンを同梱
「NW-E015」に標準で付属しているヘッドホンは、「カナルタイプ」と呼ばれるもの。外耳の入り口で固定する一般的な「オープンエア型」ではなく、耳栓のように穴に挿し込んで使う「密着型」のインナーイヤーヘッドホンだ。
付属ヘッドホンの装着部分を見ると、特殊な形状になっているのがわかる。オープンエア型の一般的なイヤフォンの先に、斜めにコブが突き出たようなユニークな形。どのように耳にセットすればよいのか、最初は戸惑ってしまう。実は、この特殊な形状にも理由がある。カナルタイプは耳穴の大きさでサイズが決まる。オープンエア型と比べると、構造的にスピーカー部のドライバーユニットの口径が小さくなるため、音の信号の再現能力が劣ってしまう。
そこでソニーでは、ドライバーユニットを耳穴に対して斜めに配置することで口径を拡大し、ダイナミックレンジの広いインナーイヤータイプを開発したという。「Eシリーズ」付属のヘッドホンは、同社のハイスペックモデル「MDR-EX90SL」と同じ、13.5mmのドライバーユニットを採用している。一般的なカナルタイプの口径は8?9mmなので、そのぶん高音質なサウンドが楽しめるわけだ。
この「大口径13.5mmEXヘッドフォン」を標準仕様で付属しているのが、「Eシリーズ」の最大の特徴。これまで、携帯オーディオプレーヤーの付属イヤフォンの音質に満足できず、別途でイヤフォンを購入していたユーザーも多いと思うが、その心配は無用だ。耳穴に挿入するラバー部分のサイズは3種類用意されているので、自分の耳に合ったピースが選べるのもうれしい。
●音楽ソースを選ばない広帯域再生のクリアなサウンド
ユーザーにとって一番の関心事は、「Eシリーズ」の音質だ。試してみた第一印象としては、やはりインナーイヤーヘッドホンということもあり、サウンドが全体的に「上品」な感じを受けた。高音から低音までにいたるまで音がクリアで、音楽ソースの信号を忠実に再生しているといった印象。
ボリュームを上げてみてもその印象は変わらず、音が割れたり、妙にチャカチャカするようなことはない。再現する音域のかたよりも少なく、ボーカルや各楽器の音色や響きも自然でソフトな感じだ。もちろん、音質は好みによるところが大きいので、人によっては「上品」なぶん、迫力や音の厚みに欠けると感じるかもしれない。
試しに、量販店で購入した安価なオープンエア型のイヤフォンに付け替えて同じ曲を聴いてみると、ボリュームが同じでも安価なほうは全体的に音が大きく感じられる。そして、さらにボリュームを上げていくと、音割れなどが発生し、ボリューム「20」程度(最大値30)で耳が痛くなってしまった。
しかし、同じ「20」でも付属のEXヘッドホンでは、音割れもほとんどなく、不快な感じはない。また、ボリュームを最小の「1」にした場合でも、いわゆる「ホワイトノイズ」と呼ばれる雑音が感じられないのには驚いた。やはり、「Eシリーズ」の高音質は、まず、付属するヘッドホンの性能の違いによるところが大きいようだ。
ソニーでは、この13.5mm EXヘッドフォンに加え、左右の信号の混在を制御する「クリアステレオ」と、引き締まった重低音を再生する「クリアベース」との3セットで高音質を実現しているという。今回もクラシックからハードロックまで、さまざまなジャンルの音楽で聞き比べてみたが、いずれも音域を選ばずクリアな再生が可能。さらに、5種類のイコライザを内蔵しているので、多様な音楽ソースを自由に楽しめる。
ちなみに、携帯オーディオプレーヤーの初期の頃から愛用しているハードユーザーにこの「NW-E015」を試してもらったが、同一価格帯の他社モデルと比べると、「確かに音はいい」との感想。低音の響きのクリアさは気に入ったようだ。ただ、カナルタイプのヘッドホンはしっかり装着できる反面、その圧迫感が苦手らしい。音質とは別の次元で、評価は分かれるところだろう。
●通勤電車の中でも「音漏れ」を心配せずに音楽を楽しめる
インナーイヤーヘッドホンのメリットは、耳の穴に密着しているため、外部の騒音が入りにくく、音楽に集中できる点だ。実際に電車や街中で試してみた。まずは、静かな屋内で外部の音がある程度聞こえるボリューム「10」に設定して外出。車の往来が激しい交差点や、駅のホーム、電車の中では、さすがに聴き取りにくいが、それほど騒音の大きくない場所なら、比較的に小さなボリュームレベルでも音楽を楽しむことができる。なお、上位モデルのSシリーズに搭載されている「ノイズキャンセリング機能」は、このEシリーズには装備されていない。
また、いわゆる「音漏れ」も同時にチェックしてみたが、ボリューム「10」なら、静かな屋内でかなり近づいて聞き耳を立てないとわからない程度。騒音のあるラッシュの電車なら、隣に立つ人には「音漏れ」は聞こえないだろう。楽曲の種類にもよるが、ボリューム「15」でようやく聞こえるレベルだった。やはり、インナーイヤーヘッドホンであれば、トラブルの原因にもなりかねない「音漏れ」にも、安心して使うことができるといえる。
ただ、従来のオープンエア型と比べて、耳に栓をするという圧迫感があるのも事実。装着すると、ちょうどプールなどで耳に水が入った状態と似ていて、自分が吐く息の音や歩くときの振動などが増幅されて聞こえてしまう。実際に口を動かす食事中や、足に衝撃のあるジョギングで使う場合は、それが顕著に現れた。
また、コードが衣服と擦れる際の振動も、結構響いてくる。この点Eシリーズではヘッドホン延長コードの取り外しでコードを短くできるので、上手に使い分けることが大切だろう。
●30時間連続再生のスタミナバッテリーでさらに使いやすく
使い勝手という点で一番気に入った点は、フル充電で約30時間連続再生できるというスタミナバッテリーだ。PCなどのUSBポートに約1時間セットしておけばフル充電できる。また、3分で約3時間の再生が可能なクイック充電機能も搭載。バッテリーセーブ機能の設定や再生ボリュームにも左右されるが、実際に検証してみた結果、ほぼ3時間の再生ができた。
「NW-E015」のスタミナバッテリーであれば、楽曲の追加登録や入れ替え時にUSBに挿し込むくらいでチャージは充分。特に充電時間を意識しなくても、日常的に使い続けることができそうだ。
また、ボディに内蔵された3行のカラーディスプレイもソニーならでは。曲名やアーティスト名、プレイモードなどの情報とともに、CDジャケットの写真も表示できる。さらに、ディスプレイの表示やイコライザの選択、曲のプレイリスト作成など、豊富なカスタマイズ機能を搭載しているのもこのEシリーズの特徴。
ボディカラーは、「NW-E015」(2GB)と「NW-E013」(1GB)が、ブラック、バイオレット、ピンク、ブルー、ゴールドの5色。4GBの「NW-E016」はブラック、バイオレット、ピンクの3色でリリースされている。いずれも、前シリーズより少し落ち着いた色調で、上質感が漂う。同じ色で統一されたソフトキャリングケースや、スポーツに最適なアームバンド、防滴ヘッドホンなどのアクセサリも充実し、好みに合わせた使いこなしもできる。
4GBの「NW-E016」でも2万円を切る手軽な価格帯ながら、ワンランク上のハイレベルなヘッドホンを備え、よりクリアな音質を実現したEシリーズ。「音」にこだわりを持つユーザーからの支持が広がりそうだ。(フリーライター・石川貢士)
――そのクリアなサウンドを体感してみた
軽量・コンパクトで、スタイリッシュなカラーリングが魅力の携帯音楽プレーヤー「ウォークマンEシリーズ」。カナル(耳栓)タイプの高機能なヘッドホンを標準装備し、音質のよさと使いやすさを追及した、ソニーこだわりのモデルだ。この「NW-E015」を実際に使用し、屋外のさまざまなシチュエーションでの使い勝手を検証。特に、音質については、他のヘッドホンや音楽ソースの違いによる聴き比べも行ってみた。
●大口径13.5mmのユニットを搭載したヘッドホンを同梱
「NW-E015」に標準で付属しているヘッドホンは、「カナルタイプ」と呼ばれるもの。外耳の入り口で固定する一般的な「オープンエア型」ではなく、耳栓のように穴に挿し込んで使う「密着型」のインナーイヤーヘッドホンだ。
付属ヘッドホンの装着部分を見ると、特殊な形状になっているのがわかる。オープンエア型の一般的なイヤフォンの先に、斜めにコブが突き出たようなユニークな形。どのように耳にセットすればよいのか、最初は戸惑ってしまう。実は、この特殊な形状にも理由がある。カナルタイプは耳穴の大きさでサイズが決まる。オープンエア型と比べると、構造的にスピーカー部のドライバーユニットの口径が小さくなるため、音の信号の再現能力が劣ってしまう。
そこでソニーでは、ドライバーユニットを耳穴に対して斜めに配置することで口径を拡大し、ダイナミックレンジの広いインナーイヤータイプを開発したという。「Eシリーズ」付属のヘッドホンは、同社のハイスペックモデル「MDR-EX90SL」と同じ、13.5mmのドライバーユニットを採用している。一般的なカナルタイプの口径は8?9mmなので、そのぶん高音質なサウンドが楽しめるわけだ。
この「大口径13.5mmEXヘッドフォン」を標準仕様で付属しているのが、「Eシリーズ」の最大の特徴。これまで、携帯オーディオプレーヤーの付属イヤフォンの音質に満足できず、別途でイヤフォンを購入していたユーザーも多いと思うが、その心配は無用だ。耳穴に挿入するラバー部分のサイズは3種類用意されているので、自分の耳に合ったピースが選べるのもうれしい。
●音楽ソースを選ばない広帯域再生のクリアなサウンド
ユーザーにとって一番の関心事は、「Eシリーズ」の音質だ。試してみた第一印象としては、やはりインナーイヤーヘッドホンということもあり、サウンドが全体的に「上品」な感じを受けた。高音から低音までにいたるまで音がクリアで、音楽ソースの信号を忠実に再生しているといった印象。
ボリュームを上げてみてもその印象は変わらず、音が割れたり、妙にチャカチャカするようなことはない。再現する音域のかたよりも少なく、ボーカルや各楽器の音色や響きも自然でソフトな感じだ。もちろん、音質は好みによるところが大きいので、人によっては「上品」なぶん、迫力や音の厚みに欠けると感じるかもしれない。
試しに、量販店で購入した安価なオープンエア型のイヤフォンに付け替えて同じ曲を聴いてみると、ボリュームが同じでも安価なほうは全体的に音が大きく感じられる。そして、さらにボリュームを上げていくと、音割れなどが発生し、ボリューム「20」程度(最大値30)で耳が痛くなってしまった。
しかし、同じ「20」でも付属のEXヘッドホンでは、音割れもほとんどなく、不快な感じはない。また、ボリュームを最小の「1」にした場合でも、いわゆる「ホワイトノイズ」と呼ばれる雑音が感じられないのには驚いた。やはり、「Eシリーズ」の高音質は、まず、付属するヘッドホンの性能の違いによるところが大きいようだ。
ソニーでは、この13.5mm EXヘッドフォンに加え、左右の信号の混在を制御する「クリアステレオ」と、引き締まった重低音を再生する「クリアベース」との3セットで高音質を実現しているという。今回もクラシックからハードロックまで、さまざまなジャンルの音楽で聞き比べてみたが、いずれも音域を選ばずクリアな再生が可能。さらに、5種類のイコライザを内蔵しているので、多様な音楽ソースを自由に楽しめる。
ちなみに、携帯オーディオプレーヤーの初期の頃から愛用しているハードユーザーにこの「NW-E015」を試してもらったが、同一価格帯の他社モデルと比べると、「確かに音はいい」との感想。低音の響きのクリアさは気に入ったようだ。ただ、カナルタイプのヘッドホンはしっかり装着できる反面、その圧迫感が苦手らしい。音質とは別の次元で、評価は分かれるところだろう。
●通勤電車の中でも「音漏れ」を心配せずに音楽を楽しめる
インナーイヤーヘッドホンのメリットは、耳の穴に密着しているため、外部の騒音が入りにくく、音楽に集中できる点だ。実際に電車や街中で試してみた。まずは、静かな屋内で外部の音がある程度聞こえるボリューム「10」に設定して外出。車の往来が激しい交差点や、駅のホーム、電車の中では、さすがに聴き取りにくいが、それほど騒音の大きくない場所なら、比較的に小さなボリュームレベルでも音楽を楽しむことができる。なお、上位モデルのSシリーズに搭載されている「ノイズキャンセリング機能」は、このEシリーズには装備されていない。
また、いわゆる「音漏れ」も同時にチェックしてみたが、ボリューム「10」なら、静かな屋内でかなり近づいて聞き耳を立てないとわからない程度。騒音のあるラッシュの電車なら、隣に立つ人には「音漏れ」は聞こえないだろう。楽曲の種類にもよるが、ボリューム「15」でようやく聞こえるレベルだった。やはり、インナーイヤーヘッドホンであれば、トラブルの原因にもなりかねない「音漏れ」にも、安心して使うことができるといえる。
ただ、従来のオープンエア型と比べて、耳に栓をするという圧迫感があるのも事実。装着すると、ちょうどプールなどで耳に水が入った状態と似ていて、自分が吐く息の音や歩くときの振動などが増幅されて聞こえてしまう。実際に口を動かす食事中や、足に衝撃のあるジョギングで使う場合は、それが顕著に現れた。
また、コードが衣服と擦れる際の振動も、結構響いてくる。この点Eシリーズではヘッドホン延長コードの取り外しでコードを短くできるので、上手に使い分けることが大切だろう。
●30時間連続再生のスタミナバッテリーでさらに使いやすく
使い勝手という点で一番気に入った点は、フル充電で約30時間連続再生できるというスタミナバッテリーだ。PCなどのUSBポートに約1時間セットしておけばフル充電できる。また、3分で約3時間の再生が可能なクイック充電機能も搭載。バッテリーセーブ機能の設定や再生ボリュームにも左右されるが、実際に検証してみた結果、ほぼ3時間の再生ができた。
「NW-E015」のスタミナバッテリーであれば、楽曲の追加登録や入れ替え時にUSBに挿し込むくらいでチャージは充分。特に充電時間を意識しなくても、日常的に使い続けることができそうだ。
また、ボディに内蔵された3行のカラーディスプレイもソニーならでは。曲名やアーティスト名、プレイモードなどの情報とともに、CDジャケットの写真も表示できる。さらに、ディスプレイの表示やイコライザの選択、曲のプレイリスト作成など、豊富なカスタマイズ機能を搭載しているのもこのEシリーズの特徴。
ボディカラーは、「NW-E015」(2GB)と「NW-E013」(1GB)が、ブラック、バイオレット、ピンク、ブルー、ゴールドの5色。4GBの「NW-E016」はブラック、バイオレット、ピンクの3色でリリースされている。いずれも、前シリーズより少し落ち着いた色調で、上質感が漂う。同じ色で統一されたソフトキャリングケースや、スポーツに最適なアームバンド、防滴ヘッドホンなどのアクセサリも充実し、好みに合わせた使いこなしもできる。
4GBの「NW-E016」でも2万円を切る手軽な価格帯ながら、ワンランク上のハイレベルなヘッドホンを備え、よりクリアな音質を実現したEシリーズ。「音」にこだわりを持つユーザーからの支持が広がりそうだ。(フリーライター・石川貢士)