「秘密基地」がクリスマスに向け大増殖? その全貌を暴く
待望の製品が発売された。タカラトミーが放つ「秘密基地をつくろう!」シリーズ第1弾の2アイテム「エマージェンシーボタン」と「グリッターパネル」だ。パソコンにUSB接続するだけで、秘密基地必須の機器が次々と装備されていくというこのシリーズ。世界中の諜報機関も注目している(に違いない)。一体どんな機能を搭載しているのか検証した。
待望の製品が発売された。タカラトミーが放つ「秘密基地をつくろう!」シリーズ第1弾の2アイテム「エマージェンシーボタン」と「グリッターパネル」だ。パソコンにUSB接続するだけで、秘密基地必須の機器が次々と装備されていくというこのシリーズ。世界中の諜報機関も注目している(に違いない)。一体どんな機能を搭載しているのか検証した。
●素性は不明だが、20?30歳代の男性を中心とした層がひそかに? 購入
当初は6月発売を予定していたが、「プログラミングや映像の制作に予想以上の時間がかかってしまった」(タカラトミー)ことから延期。一部では幻の製品に終わるのでは? と危ぶまれていた。しかしクリスマス商戦に突入する12月7日、まさにベストなタイミングで発売。反響もよく「発売初日に完売した販売店もあった」(同)ようだ。また「まとめて装備するため2製品とも購入した」者もかなりの数に上った模様。こうした購入者の素性は明らかではないが、同社調査によると「20?30歳代の男性」が多く、秘密基地構築のニーズはこうした層を中心に広がっていると見てよさそうだ。
「エマージェンシーボタン」「グリッターパネル」いずれの製品も、ハードウェア1台に加え、専用ソフトウェアを収録したCD-ROMと操作マニュアルを同梱する。さらに、シルバーメタリック塗装の本体を秘密基地仕様にグレードアップさせる特殊シールが付属している。それぞれの装備に2パターンのシールが同梱されているため、基地の仕様や装備の色合いに合わせ、より適合するデザインを選択することができる。
秘密基地のベースとなるPCは、現在稼働中のノートPCなどを充当することが可能であり、経費節減にも大きく寄与する。一方ノートPCとの同時導入を目論む場合は、NEC社と同社が共同で提供する「秘密基地をつくろう! 作戦司令室セット TYPE-N01」を選択してもよいだろう。「エマージェンシーボタン」「グリッターパネル」に加え、ノートPC「Lavie G タイプL ベーシック」が付属。その上、PC用デコレーションシールやグリッターパネルを縦置きするための紙製組み立て式設置台を同梱する。これらですぐに秘密基地装備が完了するが、300セット限定のため注意が必要だ。
●不測の誤操作を防ぐ防御シャッターに守られた「エマージェンシーボタン」
それではまず「エマージェンシーボタン」から詳細を検証する。箱から取り出し、最初に行うことは特殊シールの装備だ。シールのないままだと、緊急性の訴求が薄く、誤った操作を招きかねない。2種類のシールが利用できるが、オススメはやはり、きょう体部分を黄色と黒で縁取る「トップ:パターンA」だ。ボタンに貼付する、赤色のシールとのコントラストも良好で、非常事態の用途に限って利用するボタンであるということが明確になる。
本体をPCのUSBポートに接続し、専用ソフトウェア「司令室コントロールパネル」をインストールすることで、非常事態においてのボタン操作が可能になる。なお、誤って押下することのないよう、平常時は防御シャッターによってメインボタンが保護されている。万一の場合には「シャッター開閉ボタン」を押下し防御シャッターを開き、メインボタンを押下するという手順を踏むことになる。ただし、シャッター開閉には約3秒の時間を要する。いかなる場合においても、緊急時にはすばやく「エマージェンシーボタン」が押せるよう、日頃から防御シャッターの開閉訓練をしておく必要はあるだろう。
なお、「エマージェンシーボタン」押下時におけるPC本体の挙動に関しては、初期状態では、映像で警告画面や爆発画面などが表示された後、シャットダウンするよう設定されている。ボタン押下時の挙動については、秘密基地の規定などに応じて、「アプリケーションの起動」や「マクロの起動」などに割り当てることも可能。汎用的なボタンとしても活用できるよう設計されている。
●緊急事態をいち早く知らせる「グリッターパネル」
次は「グリッターパネル」だ。これについても、最初に実施すべきなのはシールの装備。「エマージェンシーボタン」に黒と黄色のシール貼付を実施している場合は、デザインの統一性を考慮して、同じく黒と黄色の「フロント:パターンB」を選択したい。ただし、緊急事態などが発生した際に情報を表示する装置であるという性格を考えると、装置自体がそれほど目立つ必要はないかもしれない。
表示部分は16×16ドット計256個の赤色LEDより構成されており、暗い基地内でも鮮明な表示をすることができる。アルファベット、ひらがな、カタカナ、漢字といった文字だけでなく、グラフィックデータをアニメーション表示させることも可能。複数のグリッターパネルを連結させることにより、スクロール表示させる文字列の視認性を格段に高めることもできる。「エマージェンシーボタン」にも装備されているが、ディバイスに電源供給されていることを示す緑色の「パワーランプ」も備えた。また、装置を確認しやすい角度に立てて使用するための「ささえ棒」も標準装備する。
指定した文字列をスクロール表示させるだけでなく、メールの着信通知機能や、秘密基地の心臓部ともいえるPCの稼働状況をリアルタイムで把握できる「CPU使用率」表示機能も搭載。基地運営の効率化などにも役立ちそうだ。また、時計表示機能も備え、PCと連動して正確な時を刻むこともできる。さらに、RSS表示機能も備え、最新情報を常に表示させることも可能だ。
●機密性の高い画像などを表示している場合には注意が必要
「エマージェンシーボタン」「グリッターパネル」をノートPCに装備し、専用コントロールソフトの「司令室」を起動すると音楽が流れる。とかく「暗い」「じめじめしている」と考えがちな秘密基地の固定観念をぶち破る軽快な歌と曲だ。演奏時間はおよそ1分49秒。また、「エマージェンシーボタン」の防御シャッター動作時などに、開閉音がPCから再生されるが、「エマージェンシーボタン」本体が発する機械音も大きいため、装置の存在感は十分感じ取ることができるだろう。
防御シャッターを開いた後、「エマージェンシーボタン」を押下してPCがシャットダウンするまで、テストした環境では約1分15秒かかった。ここで注意を喚起したいのは、機密性の高い特殊画像などを画面に表示している場合だ。背後に人の気配を感じた際「エマージェンシーボタン」押下すれば、非常時画面に切り替わるため難を逃れたように見える。しかし非常時画面の合間や、非常時画面の表示が終了した際に、それまで表示していた、機密性の高い特殊画像が再び表示されてしまうという事態が発生してしまうのだ。機密を保持するためには「エマージェンシーボタン」のみに頼らず、ノートPCのディスプレを閉じるなど、物理的対策も併用したほうがよさそうだ。
また、「シャッター開閉ボタン」は誰にでも操作できてしまうため、「エマージェンシーボタン」が予期せぬ人物に押されてしまうなど、セキュリティ的に不安が残る。防御シャッター開閉時に指紋照合などで認証する機能が搭載されればより完成度は高くなるだろう。
●第2弾も開発中だが、詳細は未定
同社では現在、「秘密基地をつくろう!」シリーズ第2弾の製品を開発中だ。1つは「ファイヤーランチャー」と呼ばれるレバー式の起動装置。専用ボタンとレバー操作を組み合わせることによって、5種類の異なったアプリケーションソフトウェアを起動させることができる、というもの。レバーは7段階調整機能を持ち、音声信号制御やディスプレイの輝度調整にも利用できる。もう1つは「ストームブラスター」と呼ばれる兵器型気流発生装置。風力調節や上下左右への照準調整機能などを備え、作業環境に風を送り込む。なお、これらの製品については、発売するかどうかも含め、「詳細は未定」だという。
今回紹介した「エマージェンシーボタン」は3990円、「グリッターパネル」5985円といずれも高価な装備だ。しかし、秘密基地には必須の装置といえるだけに、基地の備品購入担当者の頭を悩ませることになるだろう。対応OSはWindowsXP、2000(Pro)、USBは1.1か2.0で、電源はUSB端子から供給する。対象年齢は15歳以上。(WebBCNランキング編集長・道越一郎)
待望の製品が発売された。タカラトミーが放つ「秘密基地をつくろう!」シリーズ第1弾の2アイテム「エマージェンシーボタン」と「グリッターパネル」だ。パソコンにUSB接続するだけで、秘密基地必須の機器が次々と装備されていくというこのシリーズ。世界中の諜報機関も注目している(に違いない)。一体どんな機能を搭載しているのか検証した。
●素性は不明だが、20?30歳代の男性を中心とした層がひそかに? 購入
当初は6月発売を予定していたが、「プログラミングや映像の制作に予想以上の時間がかかってしまった」(タカラトミー)ことから延期。一部では幻の製品に終わるのでは? と危ぶまれていた。しかしクリスマス商戦に突入する12月7日、まさにベストなタイミングで発売。反響もよく「発売初日に完売した販売店もあった」(同)ようだ。また「まとめて装備するため2製品とも購入した」者もかなりの数に上った模様。こうした購入者の素性は明らかではないが、同社調査によると「20?30歳代の男性」が多く、秘密基地構築のニーズはこうした層を中心に広がっていると見てよさそうだ。
「エマージェンシーボタン」「グリッターパネル」いずれの製品も、ハードウェア1台に加え、専用ソフトウェアを収録したCD-ROMと操作マニュアルを同梱する。さらに、シルバーメタリック塗装の本体を秘密基地仕様にグレードアップさせる特殊シールが付属している。それぞれの装備に2パターンのシールが同梱されているため、基地の仕様や装備の色合いに合わせ、より適合するデザインを選択することができる。
秘密基地のベースとなるPCは、現在稼働中のノートPCなどを充当することが可能であり、経費節減にも大きく寄与する。一方ノートPCとの同時導入を目論む場合は、NEC社と同社が共同で提供する「秘密基地をつくろう! 作戦司令室セット TYPE-N01」を選択してもよいだろう。「エマージェンシーボタン」「グリッターパネル」に加え、ノートPC「Lavie G タイプL ベーシック」が付属。その上、PC用デコレーションシールやグリッターパネルを縦置きするための紙製組み立て式設置台を同梱する。これらですぐに秘密基地装備が完了するが、300セット限定のため注意が必要だ。
●不測の誤操作を防ぐ防御シャッターに守られた「エマージェンシーボタン」
それではまず「エマージェンシーボタン」から詳細を検証する。箱から取り出し、最初に行うことは特殊シールの装備だ。シールのないままだと、緊急性の訴求が薄く、誤った操作を招きかねない。2種類のシールが利用できるが、オススメはやはり、きょう体部分を黄色と黒で縁取る「トップ:パターンA」だ。ボタンに貼付する、赤色のシールとのコントラストも良好で、非常事態の用途に限って利用するボタンであるということが明確になる。
本体をPCのUSBポートに接続し、専用ソフトウェア「司令室コントロールパネル」をインストールすることで、非常事態においてのボタン操作が可能になる。なお、誤って押下することのないよう、平常時は防御シャッターによってメインボタンが保護されている。万一の場合には「シャッター開閉ボタン」を押下し防御シャッターを開き、メインボタンを押下するという手順を踏むことになる。ただし、シャッター開閉には約3秒の時間を要する。いかなる場合においても、緊急時にはすばやく「エマージェンシーボタン」が押せるよう、日頃から防御シャッターの開閉訓練をしておく必要はあるだろう。
なお、「エマージェンシーボタン」押下時におけるPC本体の挙動に関しては、初期状態では、映像で警告画面や爆発画面などが表示された後、シャットダウンするよう設定されている。ボタン押下時の挙動については、秘密基地の規定などに応じて、「アプリケーションの起動」や「マクロの起動」などに割り当てることも可能。汎用的なボタンとしても活用できるよう設計されている。
●緊急事態をいち早く知らせる「グリッターパネル」
次は「グリッターパネル」だ。これについても、最初に実施すべきなのはシールの装備。「エマージェンシーボタン」に黒と黄色のシール貼付を実施している場合は、デザインの統一性を考慮して、同じく黒と黄色の「フロント:パターンB」を選択したい。ただし、緊急事態などが発生した際に情報を表示する装置であるという性格を考えると、装置自体がそれほど目立つ必要はないかもしれない。
表示部分は16×16ドット計256個の赤色LEDより構成されており、暗い基地内でも鮮明な表示をすることができる。アルファベット、ひらがな、カタカナ、漢字といった文字だけでなく、グラフィックデータをアニメーション表示させることも可能。複数のグリッターパネルを連結させることにより、スクロール表示させる文字列の視認性を格段に高めることもできる。「エマージェンシーボタン」にも装備されているが、ディバイスに電源供給されていることを示す緑色の「パワーランプ」も備えた。また、装置を確認しやすい角度に立てて使用するための「ささえ棒」も標準装備する。
指定した文字列をスクロール表示させるだけでなく、メールの着信通知機能や、秘密基地の心臓部ともいえるPCの稼働状況をリアルタイムで把握できる「CPU使用率」表示機能も搭載。基地運営の効率化などにも役立ちそうだ。また、時計表示機能も備え、PCと連動して正確な時を刻むこともできる。さらに、RSS表示機能も備え、最新情報を常に表示させることも可能だ。
●機密性の高い画像などを表示している場合には注意が必要
「エマージェンシーボタン」「グリッターパネル」をノートPCに装備し、専用コントロールソフトの「司令室」を起動すると音楽が流れる。とかく「暗い」「じめじめしている」と考えがちな秘密基地の固定観念をぶち破る軽快な歌と曲だ。演奏時間はおよそ1分49秒。また、「エマージェンシーボタン」の防御シャッター動作時などに、開閉音がPCから再生されるが、「エマージェンシーボタン」本体が発する機械音も大きいため、装置の存在感は十分感じ取ることができるだろう。
防御シャッターを開いた後、「エマージェンシーボタン」を押下してPCがシャットダウンするまで、テストした環境では約1分15秒かかった。ここで注意を喚起したいのは、機密性の高い特殊画像などを画面に表示している場合だ。背後に人の気配を感じた際「エマージェンシーボタン」押下すれば、非常時画面に切り替わるため難を逃れたように見える。しかし非常時画面の合間や、非常時画面の表示が終了した際に、それまで表示していた、機密性の高い特殊画像が再び表示されてしまうという事態が発生してしまうのだ。機密を保持するためには「エマージェンシーボタン」のみに頼らず、ノートPCのディスプレを閉じるなど、物理的対策も併用したほうがよさそうだ。
また、「シャッター開閉ボタン」は誰にでも操作できてしまうため、「エマージェンシーボタン」が予期せぬ人物に押されてしまうなど、セキュリティ的に不安が残る。防御シャッター開閉時に指紋照合などで認証する機能が搭載されればより完成度は高くなるだろう。
●第2弾も開発中だが、詳細は未定
同社では現在、「秘密基地をつくろう!」シリーズ第2弾の製品を開発中だ。1つは「ファイヤーランチャー」と呼ばれるレバー式の起動装置。専用ボタンとレバー操作を組み合わせることによって、5種類の異なったアプリケーションソフトウェアを起動させることができる、というもの。レバーは7段階調整機能を持ち、音声信号制御やディスプレイの輝度調整にも利用できる。もう1つは「ストームブラスター」と呼ばれる兵器型気流発生装置。風力調節や上下左右への照準調整機能などを備え、作業環境に風を送り込む。なお、これらの製品については、発売するかどうかも含め、「詳細は未定」だという。
今回紹介した「エマージェンシーボタン」は3990円、「グリッターパネル」5985円といずれも高価な装備だ。しかし、秘密基地には必須の装置といえるだけに、基地の備品購入担当者の頭を悩ませることになるだろう。対応OSはWindowsXP、2000(Pro)、USBは1.1か2.0で、電源はUSB端子から供給する。対象年齢は15歳以上。(WebBCNランキング編集長・道越一郎)