超小型モバイル無線LANルータ「Wireless G Travel Router」を使ってみた
シネックスが05年12月に発売した米Belkin社の超小型ワイヤレスルータ「Wireless G Travel Router」。超小型のボディながら、無線ルータをはじめとする3つの無線モードを搭載し、USBからの電源供給や高セキュリティ機能に対応するなど、モバイル用途にピッタリの無線LANルータを使ってみた。
シネックスが05年12月に発売した米Belkin社の超小型ワイヤレスルータ「Wireless G Travel Router」。超小型のボディながら、無線ルータをはじめとする3つの無線モードを搭載し、USBからの電源供給や高セキュリティ機能に対応するなど、モバイル用途にピッタリの無線LANルータを使ってみた。
「Wireless G Travel Router」とLANケーブルと比較すると、
その小ささがよくわかる
●持ち運びと設置が簡単にできるモバイル性能を追求
「Wireless G Travel Router」の実物を手に取ったときの第一印象は、やはり「小さい」の一言に尽きる。それもそのはず、大きさはわずか幅60×奥行き80×厚さ20mmのきょう体は手のひらにすっぽりと収まる。名刺入れを少し厚くした程度のサイズしかない。そして、この小ささを最大限に生かしつつ簡単に使えるよう、随所に工夫が見られる。
なかでもUSBケーブルからの電源供給のみで利用できるのは、何かと制約の多いモバイルユースではありがたい。また、ボディの背面には無線LANモード切替スイッチや、LAN端子、電源を集中させて容易に接続ができるようになっていることや、それぞれの無線LANモードの設定が簡略化されているのも大きなポイントだ。さらに付属品をまとめて収納できるオシャレなケースも同梱され、持ち運びにも便利。ケーブル類をあらかじめ短めにして、すっきりとケースに収まる様は、ある種のこだわりすら感じる。
ボディ背面のスイッチでモードを切り替える
しかし、小さいからといってあなどってはいけない。超小型ボディの中に、「無線ルータ」「無線アクセスポイント」「無線ネットワークアダプタ」と3つの機能を搭載。これらを背面スイッチで切り替えて用途に合わせた使い分けができるスグレモノなのだ。また、64bit/128bitのWEPはもちろん、高技術な暗号化であるWPA-PSKにも対応。セキュリティ面も安心だ。対応する無線LAN規格はIEEE802.11g/11bとなっているので、幅広い機器との互換性があり、外出先でのネットワーク接続に困ることもない。
出張先のホテルや会議室、モバイルポイントでの利用が多いビジネスユーザーにとっては、1台3役をこなし、持ち運びが楽でとても使い勝手にすぐれた製品と言えるだろう。
●簡略化された設定画面ですぐに接続可能!
設定も簡単だ。一番多く使われるであろう「無線ルータ機能」は、本体とDSL回線やFTTH等のモデムを接続した後、ブラウザから設定画面を呼び出してそれぞれ設定すればよい。また、機器の動作状況は、本体上部のパネルにあるLEDから一目でわかるようになっている。実際に接続を行ってみたが、特に難しい操作は必要なく、呼び出した設定画面の中から使用回線を選択するだけで接続できた。同梱されている「クイック・インストレーション・ガイド」にも同様の手順が解説されているので、ビギナーでも特に迷うこともないだろう。
CATVの場合は「ダイナミックIP」を、ADSLなどの場合は「PPPoE」を選択する
また、「ルータ機能」での使用時は、自動的にDHCP機能が働くので、特に設定をしなくても複数台のパソコンからのアクセスが可能となる。それぞれの詳細設定は、同梱されているCD-ROMに収録されているマニュアルで確認することができる。5MB強のデータなのでノートPCのハードディスク内に保存しておけば、外出先でもすぐにマニュアルの確認が可能だ。「無線アクセスポイント」と「無線ネットワークアダプタ機能」に関しても、とりわけ面倒な設定は必要がない。
●無線機能は問題なし、さらに「WPA-PSK」対応の高セキュリティ設計で安心
モバイルユースだからといって、セキュリティの問題は避けて通れない。そのてんもきちんと考慮されており、広く使用されている「WEP(64bit/128bit)」に加え、さらにセキュリティを高めた規格の「WPA-PSK」も使用することができるようになっている。ビジネスユースの場合はもちろんのこと、個人ユースでも不正アクセスなどの危険性があるため必ず設定しておきたい。ただし、「Wireless G Travel Router」でWPA-PSKを設定した場合、接続を行うクライアントにもWPA-PSKに対応した無線LANカードが接続されている必要があるので注意が必要だ。WEPとWPA-PSKの設定は、ルータモードで設定画面を呼び出し、「セキュリティ」欄から設定できる。
セキュリティ設定は「WEP(64bit/128bit)」に加え、さらに高セキュリティ規格の「WPA-PSK」にも対応
実際に1週間ほど、「Wireless G Travel Router」でインターネットへの接続の実験を行ってみたところ、ごく普通の一軒家の1階と2階の間で通信速度が落ちることなく接続できた。また、比較的壁の多いマンションの各部屋を締め切りにし、端の部屋同士で通信したが、結果は同じく良好だった。つまり超小型なボディでありながら無線通信の性能はまったく問題ないといってもよい。しかし、超小型のボディが災いしてか、短い時間の接続利用でも、手に持つと熱いと思えるほど発熱量が大きかった。これが唯一、残念な点だ。
超小型で持ち運びも接続も楽な上に、電源までパソコンから取れる3役をこなす無線LANルータ。ここまでそろっていれば、出張や外出時にPCを使う機会が多い筋金入りのモバイラーでも満足できる製品と言ってもよさそうだ。(フリーライター・古作光徳)
必要なものすべてがケースにすっきり収まる。これもモバイル用途では重要なポイント
シネックスが05年12月に発売した米Belkin社の超小型ワイヤレスルータ「Wireless G Travel Router」。超小型のボディながら、無線ルータをはじめとする3つの無線モードを搭載し、USBからの電源供給や高セキュリティ機能に対応するなど、モバイル用途にピッタリの無線LANルータを使ってみた。
「Wireless G Travel Router」とLANケーブルと比較すると、
その小ささがよくわかる
●持ち運びと設置が簡単にできるモバイル性能を追求
「Wireless G Travel Router」の実物を手に取ったときの第一印象は、やはり「小さい」の一言に尽きる。それもそのはず、大きさはわずか幅60×奥行き80×厚さ20mmのきょう体は手のひらにすっぽりと収まる。名刺入れを少し厚くした程度のサイズしかない。そして、この小ささを最大限に生かしつつ簡単に使えるよう、随所に工夫が見られる。
なかでもUSBケーブルからの電源供給のみで利用できるのは、何かと制約の多いモバイルユースではありがたい。また、ボディの背面には無線LANモード切替スイッチや、LAN端子、電源を集中させて容易に接続ができるようになっていることや、それぞれの無線LANモードの設定が簡略化されているのも大きなポイントだ。さらに付属品をまとめて収納できるオシャレなケースも同梱され、持ち運びにも便利。ケーブル類をあらかじめ短めにして、すっきりとケースに収まる様は、ある種のこだわりすら感じる。
ボディ背面のスイッチでモードを切り替える
しかし、小さいからといってあなどってはいけない。超小型ボディの中に、「無線ルータ」「無線アクセスポイント」「無線ネットワークアダプタ」と3つの機能を搭載。これらを背面スイッチで切り替えて用途に合わせた使い分けができるスグレモノなのだ。また、64bit/128bitのWEPはもちろん、高技術な暗号化であるWPA-PSKにも対応。セキュリティ面も安心だ。対応する無線LAN規格はIEEE802.11g/11bとなっているので、幅広い機器との互換性があり、外出先でのネットワーク接続に困ることもない。
出張先のホテルや会議室、モバイルポイントでの利用が多いビジネスユーザーにとっては、1台3役をこなし、持ち運びが楽でとても使い勝手にすぐれた製品と言えるだろう。
●簡略化された設定画面ですぐに接続可能!
設定も簡単だ。一番多く使われるであろう「無線ルータ機能」は、本体とDSL回線やFTTH等のモデムを接続した後、ブラウザから設定画面を呼び出してそれぞれ設定すればよい。また、機器の動作状況は、本体上部のパネルにあるLEDから一目でわかるようになっている。実際に接続を行ってみたが、特に難しい操作は必要なく、呼び出した設定画面の中から使用回線を選択するだけで接続できた。同梱されている「クイック・インストレーション・ガイド」にも同様の手順が解説されているので、ビギナーでも特に迷うこともないだろう。
CATVの場合は「ダイナミックIP」を、ADSLなどの場合は「PPPoE」を選択する
また、「ルータ機能」での使用時は、自動的にDHCP機能が働くので、特に設定をしなくても複数台のパソコンからのアクセスが可能となる。それぞれの詳細設定は、同梱されているCD-ROMに収録されているマニュアルで確認することができる。5MB強のデータなのでノートPCのハードディスク内に保存しておけば、外出先でもすぐにマニュアルの確認が可能だ。「無線アクセスポイント」と「無線ネットワークアダプタ機能」に関しても、とりわけ面倒な設定は必要がない。
●無線機能は問題なし、さらに「WPA-PSK」対応の高セキュリティ設計で安心
モバイルユースだからといって、セキュリティの問題は避けて通れない。そのてんもきちんと考慮されており、広く使用されている「WEP(64bit/128bit)」に加え、さらにセキュリティを高めた規格の「WPA-PSK」も使用することができるようになっている。ビジネスユースの場合はもちろんのこと、個人ユースでも不正アクセスなどの危険性があるため必ず設定しておきたい。ただし、「Wireless G Travel Router」でWPA-PSKを設定した場合、接続を行うクライアントにもWPA-PSKに対応した無線LANカードが接続されている必要があるので注意が必要だ。WEPとWPA-PSKの設定は、ルータモードで設定画面を呼び出し、「セキュリティ」欄から設定できる。
セキュリティ設定は「WEP(64bit/128bit)」に加え、さらに高セキュリティ規格の「WPA-PSK」にも対応
実際に1週間ほど、「Wireless G Travel Router」でインターネットへの接続の実験を行ってみたところ、ごく普通の一軒家の1階と2階の間で通信速度が落ちることなく接続できた。また、比較的壁の多いマンションの各部屋を締め切りにし、端の部屋同士で通信したが、結果は同じく良好だった。つまり超小型なボディでありながら無線通信の性能はまったく問題ないといってもよい。しかし、超小型のボディが災いしてか、短い時間の接続利用でも、手に持つと熱いと思えるほど発熱量が大きかった。これが唯一、残念な点だ。
超小型で持ち運びも接続も楽な上に、電源までパソコンから取れる3役をこなす無線LANルータ。ここまでそろっていれば、出張や外出時にPCを使う機会が多い筋金入りのモバイラーでも満足できる製品と言ってもよさそうだ。(フリーライター・古作光徳)
必要なものすべてがケースにすっきり収まる。これもモバイル用途では重要なポイント