ソースネクスト、冬商戦は好調、新ジャンルの創出に意欲
ソースネクストのパソコンソフトを広く普及させる「コモディティ化戦略」が好調だ。500円のセキュリティソフトを12月1日に発売したほか、来年2月には機動戦士ガンダムのキャラクターが音声ガイドする携帯電話メモリ編集ソフトの発売を予定。販売本数は、05年12月に前年同月比30%増になる見込みで、05年度(06年3月期)の1年間で500万本規模に達する見通しだ。「新ジャンルのソフトを次々と市場に投入する」と意欲をみせる松田憲幸社長に話を聞いた。
ソースネクストのパソコンソフトを広く普及させる「コモディティ化戦略」が好調だ。500円のセキュリティソフトを12月1日に発売したほか、来年2月には機動戦士ガンダムのキャラクターが音声ガイドする携帯電話メモリ編集ソフトの発売を予定。販売本数は、05年12月に前年同月比30%増になる見込みで、05年度(06年3月期)の1年間で500万本規模に達する見通しだ。「新ジャンルのソフトを次々と市場に投入する」と意欲をみせる松田憲幸社長に話を聞いた。
??12月には、500円という破格値を実現したセキュリティソフト「ウイルスセキュリティ500」や、PDFから書類が作成できる「いきなりPDF to Data Professional」、パソコンゲームソフト「逆転裁判」など、さまざまなソフトを市場に投入しました。05年冬商戦の感触は。
松田 順調です。「コモディティ化戦略」が浸透してきたと自負しています。当社は新製品が年末に集中するという意味で年末が重要になってくるのですが、05年12月の販売本数は前年同月比30%増程度になることを見込んでいます。
??秋には、パソコンゲームソフトの販売を本格化し、BCNランキングではトップシェアを獲得する週もあるなど、新ジャンルでのソフト販売も伸びていますね。
松田 パソコンゲームソフトに関しては、ビジネスソフトと同じコーナーで売るという策が功を奏しました。これまでパソコンゲームのコーナーは、家電量販店のなかでも奥のほうにあるなど、ビジネスソフトとは一線を画しているような感がありました。しかし、パソコンの普及率を考えると、幅広い年齢層の人たちがパソコンを活用しているはず。となれば、パソコンゲームもビジネスソフトと同様に売ることが望ましい。パソコンゲームは限られたユーザーしか購入しないという概念を払拭したわけです。実際、ビジネスソフトを購入するユーザーが、ついでにパソコンゲームも購入するというケースが増えています。パソコンゲームは1980円の価格帯で揃えています。本当は買うつもりで来店したわけではないのだけれど、「1980円なら買ってみようか」と、ユーザーに認識させたのではないでしょうか。
??06年に発売する予定のソフトで、主力の製品はどれでしょう?
松田 すべてが売れると考えていますので何ともいえませんよ(笑)。ただ、インパクトを与えるという点では、携帯電話メモリ編集ソフト「携快電話13 機動戦士ガンダム特別版」には期待しています。この製品は、ガンダムの主要キャラクターであるアムロ・レイとシャア・アズナブルの音声で操作をナビゲートすることが特徴です。音声ガイドのセリフは携快電話用に作成し、声優さんに新たに吹き込んでもらいました。おそらく、パソコンユーザーのボリュームゾーンは「ガンダム世代」ではないでしょうか。この製品により、携帯電話編集ソフトの新規顧客を拡大する可能性は十分にありますと考えています。
?今後は、どのようなジャンルを創出していくのですか。
松田 はっきりとしたものは現段階で決まっていませんが、今後もユーザーニーズに合わせたジャンルを創出していきます。12月に発売した500円の「ウイルスセキュリティ500」は、コンビニエンスストアにおける購入者の平均単価が560円以内であることを視野に入れて発売しました。旅行用のシャンプーがコンビニで売れたりしていますよね。それと同じ感覚で、ウイルスセキュリティ500も3か月間の有効期間と通常の4分の1に縮め、価格を安くすることを実現しました。
「いきなりPDF to Data Professional」に関しても、会社員が自宅でプレゼン資料を作成したいというニーズから製品化したものです。パソコンゲームに関しては、ある量販店から「2本目に購入するものがないという声をお客さんから聞く」というアドバイスをヒントにパソコンソフトとして仕上げました。
こうしたことを踏まえれば、新ジャンルに関しては「価格」、「パソコンソフトに関する組み合わせのニーズ」、「ついで買い」などがキーワードになってくるのではないでしょうか。「携快電話13 機動戦士ガンダム特別版」を含めれば、「キャラクターによる音声ガイド」もポイントになるでしょう。
また、PDF作成ソフトなど企業が使っていたソフトを個人でも使うようになることで、新ジャンルを創出するという方向性も考えられます。こうしたニーズを掘り起こせば、新しいソフトを市場に投入する可能性はまだまだあると考えます。
??今後2年間で1000タイトルに増やすことを掲げていますが、さまざまなジャンルのソフトを発売すれば、家電量販店やパソコン専門店によってはソースネクストブランドのソフトをすべて展示できずに過剰在庫になってしまうなど、ハイリスクな部分も出てくるといえますが。
松田 競合メーカーよりも、できるだけ多くのソフトを販売してもらうという点では、パッケージのスリム化で解決しています。当社では専用の棚を各ショップに設け、できるだけ多くのソフトを展示してもらうような環境を整えています。ですので、競合他社と比べて当社の展示数が少ないというようなことはない。確かに、ショップによっては売場面積が小さいなどの理由から、当社のソフトすべてを展示できない可能性もあります。しかし、どのショップにも来店者に合わせたソフトを販売したいという要求があります。多くのソフトを揃えれば、各ショップの要求に応えることができる。店によっては、これを重点的に起きたいというニーズもあります。多ければ多いほど、当社にとってはメリットのあることですし、ショップは喜ぶと確信しています。
??2年半で1000万本の出荷本数を達成しました。05年度の見通しは。
松田 1年間では500万本を達成する見通しです。今後は年率10?30%増を維持し、さらに出荷本数規模を引き上げていきます。(取材・文/BCN 佐相彰彦)
ソースネクストのパソコンソフトを広く普及させる「コモディティ化戦略」が好調だ。500円のセキュリティソフトを12月1日に発売したほか、来年2月には機動戦士ガンダムのキャラクターが音声ガイドする携帯電話メモリ編集ソフトの発売を予定。販売本数は、05年12月に前年同月比30%増になる見込みで、05年度(06年3月期)の1年間で500万本規模に達する見通しだ。「新ジャンルのソフトを次々と市場に投入する」と意欲をみせる松田憲幸社長に話を聞いた。
??12月には、500円という破格値を実現したセキュリティソフト「ウイルスセキュリティ500」や、PDFから書類が作成できる「いきなりPDF to Data Professional」、パソコンゲームソフト「逆転裁判」など、さまざまなソフトを市場に投入しました。05年冬商戦の感触は。
松田 順調です。「コモディティ化戦略」が浸透してきたと自負しています。当社は新製品が年末に集中するという意味で年末が重要になってくるのですが、05年12月の販売本数は前年同月比30%増程度になることを見込んでいます。
??秋には、パソコンゲームソフトの販売を本格化し、BCNランキングではトップシェアを獲得する週もあるなど、新ジャンルでのソフト販売も伸びていますね。
松田 パソコンゲームソフトに関しては、ビジネスソフトと同じコーナーで売るという策が功を奏しました。これまでパソコンゲームのコーナーは、家電量販店のなかでも奥のほうにあるなど、ビジネスソフトとは一線を画しているような感がありました。しかし、パソコンの普及率を考えると、幅広い年齢層の人たちがパソコンを活用しているはず。となれば、パソコンゲームもビジネスソフトと同様に売ることが望ましい。パソコンゲームは限られたユーザーしか購入しないという概念を払拭したわけです。実際、ビジネスソフトを購入するユーザーが、ついでにパソコンゲームも購入するというケースが増えています。パソコンゲームは1980円の価格帯で揃えています。本当は買うつもりで来店したわけではないのだけれど、「1980円なら買ってみようか」と、ユーザーに認識させたのではないでしょうか。
??06年に発売する予定のソフトで、主力の製品はどれでしょう?
松田 すべてが売れると考えていますので何ともいえませんよ(笑)。ただ、インパクトを与えるという点では、携帯電話メモリ編集ソフト「携快電話13 機動戦士ガンダム特別版」には期待しています。この製品は、ガンダムの主要キャラクターであるアムロ・レイとシャア・アズナブルの音声で操作をナビゲートすることが特徴です。音声ガイドのセリフは携快電話用に作成し、声優さんに新たに吹き込んでもらいました。おそらく、パソコンユーザーのボリュームゾーンは「ガンダム世代」ではないでしょうか。この製品により、携帯電話編集ソフトの新規顧客を拡大する可能性は十分にありますと考えています。
?今後は、どのようなジャンルを創出していくのですか。
松田 はっきりとしたものは現段階で決まっていませんが、今後もユーザーニーズに合わせたジャンルを創出していきます。12月に発売した500円の「ウイルスセキュリティ500」は、コンビニエンスストアにおける購入者の平均単価が560円以内であることを視野に入れて発売しました。旅行用のシャンプーがコンビニで売れたりしていますよね。それと同じ感覚で、ウイルスセキュリティ500も3か月間の有効期間と通常の4分の1に縮め、価格を安くすることを実現しました。
「いきなりPDF to Data Professional」に関しても、会社員が自宅でプレゼン資料を作成したいというニーズから製品化したものです。パソコンゲームに関しては、ある量販店から「2本目に購入するものがないという声をお客さんから聞く」というアドバイスをヒントにパソコンソフトとして仕上げました。
こうしたことを踏まえれば、新ジャンルに関しては「価格」、「パソコンソフトに関する組み合わせのニーズ」、「ついで買い」などがキーワードになってくるのではないでしょうか。「携快電話13 機動戦士ガンダム特別版」を含めれば、「キャラクターによる音声ガイド」もポイントになるでしょう。
また、PDF作成ソフトなど企業が使っていたソフトを個人でも使うようになることで、新ジャンルを創出するという方向性も考えられます。こうしたニーズを掘り起こせば、新しいソフトを市場に投入する可能性はまだまだあると考えます。
??今後2年間で1000タイトルに増やすことを掲げていますが、さまざまなジャンルのソフトを発売すれば、家電量販店やパソコン専門店によってはソースネクストブランドのソフトをすべて展示できずに過剰在庫になってしまうなど、ハイリスクな部分も出てくるといえますが。
松田 競合メーカーよりも、できるだけ多くのソフトを販売してもらうという点では、パッケージのスリム化で解決しています。当社では専用の棚を各ショップに設け、できるだけ多くのソフトを展示してもらうような環境を整えています。ですので、競合他社と比べて当社の展示数が少ないというようなことはない。確かに、ショップによっては売場面積が小さいなどの理由から、当社のソフトすべてを展示できない可能性もあります。しかし、どのショップにも来店者に合わせたソフトを販売したいという要求があります。多くのソフトを揃えれば、各ショップの要求に応えることができる。店によっては、これを重点的に起きたいというニーズもあります。多ければ多いほど、当社にとってはメリットのあることですし、ショップは喜ぶと確信しています。
??2年半で1000万本の出荷本数を達成しました。05年度の見通しは。
松田 1年間では500万本を達成する見通しです。今後は年率10?30%増を維持し、さらに出荷本数規模を引き上げていきます。(取材・文/BCN 佐相彰彦)