ソースネクスト、松田社長インタビュー、コモディティ化戦略の次の一手は?
ソースネクスト(松田憲幸社長)のパソコンソフトを広く普及することを目指す「コモディティ化戦略」が第2ステージに入った。次のステップとなるこれからは、ソフトのタイトル数をさらに増やすことで、ユーザーが気軽にソフトウェアを購入できる環境を整備。現状の300タイトルを今後2年間で1000タイトルに増やしていく方針だ。
ソースネクスト(松田憲幸社長)のパソコンソフトを広く普及することを目指す「コモディティ化戦略」が第2ステージに入った。これまで、「1980円」という購入者の購入意欲を沸かせるリーズナブルな価格をはじめ、パッケージのスリム化などで、パソコン専門店や家電量販店に加え、コンビニエンスストアや書店などにも販路を広げるといった、パソコソフトビジネスでは新しい試みといえる取り組みを実現してきた。次のステップとなるこれからは、ソフトのタイトル数をさらに増やすことで、ユーザーが気軽にソフトウェアを購入できる環境を整備。現状の300タイトルを今後2年間で1000タイトルに増やしていく方針だ。こうしたコモディティ化戦略の強化策について、松田社長に話を聞いた。
●コモディティ化戦略が第2ステージへ、新ジャンルの創造を加速
??パソコンソフトを1980円で販売するなどで出荷本数が1000本を達成しました。「コモディティ化戦略は確立した」ということでしょうか?
松田 コモデイティ化戦略を打ち出した2003年3月から約2年半でパッケージのスリム化を実現した点で第1条件をクリアしました。また、利益も順調に伸びています。しかし、まだ通過点に過ぎません。次のステージに入ったという段階です。
??第1ステージが終わり、第2ステージに入ったと。
松田 その通りです。パッケージを小さくしなければソフトウェアが普及するとは言いがたい。パッケージのスリム化を追求したことで、パソコン専門店さんや家電量販店さんでは、レジの前など良い場所で販売してくれるようになりました。加えて、コンビニエンスストアや書店、ホームセンターなどでも取り扱ってくれています。ショップ側からみれば、売れる商材でなければ良い場所に置かないでしょうし、取り扱わないといえます。そういった点では、パソコンソフトを気軽に購入できるという環境は整いつつあります。今後も、取り扱う店舗数の増加や、1店舗あたり販売するアイテム数の増加を見込んでいます。こうした現象を加速させるためにコンテンツの充実を図っていきます。現段階では、300タイトルのアイテム数ですが、これを2年間で1000タイトルまで引き上げます。
??具体的には、どの分野のソフトを増やしていくのですか。
松田 とくに力を入れていく分野というのはなく、全般的に増やしていく予定ですが、競合他社が持っていて、当社が持っていないものを次々と揃えていきます。まだまだ、カバーし切れていない分野は多くあります。これまで当社が扱っていなかった分野のソフトも販売していくことや、これまではフォーカスされていなかったニッチな分野を拡大していくといった新ジャンルの創造も行っていきます。
??アイテム数を増やすという意味で、最近ではゲームメーカーと販売提携を結びましたね。
松田 ソフトメーカーなどとの提携がアイテム数の増加や新ジャンルの創造につながると確信しています。今年中には、10社程度と提携を締結することを目指します。
??サン・マイクロシステムズと共同企画のプレゼンテーションソフト「超五感プレゼン?スタースイート8 Impress」も発表しました。
松田 プレゼンテーションソフト市場は、自宅のパソコンにプレゼンテーションソフトがプレインストールされていなかったり、価格が高いことなどが普及の障害になっていました。今回の製品を発売することでコンシューマ顧客への普及が加速するとみています。
??この市場は、マイクロソフトが ほぼ独占状態になっていますが。
松田 プレゼンテーションソフトを普及することで、2006年に販売本数でトップシェアを獲得します。
??売上規模の目標はありますか。
松田 コモディティ化戦略を打ち出す前と比べ、売り上げは約1.5倍に増えています。2007年度(08年3月期)には、これを2倍に引き上げることを目指します。
??他社が追随している状況については、どうみていますか。
松田 1980円という価格だけを追求し、安かろう悪かろうではパソコンソフトが普及しません。クオリティが伴っていれば、他社が1980円で販売するのは望ましいといえます。また、最近ではダウンロード販売で安く販売しているケースもありますが、あまり良い傾向ではないといえます。ダウンロードだけでビジネスが拡大するのであれば、当社をはじめ、ほかのソフトメーカーさんもダウンロードビジネスにシフトします。しかし、それは最適な方法とはいえません。やはり、店頭で販売することがパソコンソフトの普及のためにも最適な方法といえます。
??コモディティ化戦略を続けることで、取り扱い店舗が増えるという点で家電量販店やパソコン専門店のビジネスに影響が出るなどといった懸念はありませんか。
松田 パソコン専門店さんや家電量販店さんから不満があるという声は聞いていません。パソコンソフトは音楽CDやDVDソフトなどと比べれば、消費者にとって遠い存在であることは否めません。パソコンソフトのコンテンツをユーザーに一段と近づけて、「いつでも、どこでも」購入できる環境が整備されれば、現状の5倍ぐらいは増えてもおかしくないといえます。こうした状況になるのは、あと2?3年程度で確立するのではないでしょうか。(取材・文/BCN 佐相彰彦)
ソースネクスト(松田憲幸社長)のパソコンソフトを広く普及することを目指す「コモディティ化戦略」が第2ステージに入った。これまで、「1980円」という購入者の購入意欲を沸かせるリーズナブルな価格をはじめ、パッケージのスリム化などで、パソコン専門店や家電量販店に加え、コンビニエンスストアや書店などにも販路を広げるといった、パソコソフトビジネスでは新しい試みといえる取り組みを実現してきた。次のステップとなるこれからは、ソフトのタイトル数をさらに増やすことで、ユーザーが気軽にソフトウェアを購入できる環境を整備。現状の300タイトルを今後2年間で1000タイトルに増やしていく方針だ。こうしたコモディティ化戦略の強化策について、松田社長に話を聞いた。
●コモディティ化戦略が第2ステージへ、新ジャンルの創造を加速
??パソコンソフトを1980円で販売するなどで出荷本数が1000本を達成しました。「コモディティ化戦略は確立した」ということでしょうか?
松田 コモデイティ化戦略を打ち出した2003年3月から約2年半でパッケージのスリム化を実現した点で第1条件をクリアしました。また、利益も順調に伸びています。しかし、まだ通過点に過ぎません。次のステージに入ったという段階です。
??第1ステージが終わり、第2ステージに入ったと。
松田 その通りです。パッケージを小さくしなければソフトウェアが普及するとは言いがたい。パッケージのスリム化を追求したことで、パソコン専門店さんや家電量販店さんでは、レジの前など良い場所で販売してくれるようになりました。加えて、コンビニエンスストアや書店、ホームセンターなどでも取り扱ってくれています。ショップ側からみれば、売れる商材でなければ良い場所に置かないでしょうし、取り扱わないといえます。そういった点では、パソコンソフトを気軽に購入できるという環境は整いつつあります。今後も、取り扱う店舗数の増加や、1店舗あたり販売するアイテム数の増加を見込んでいます。こうした現象を加速させるためにコンテンツの充実を図っていきます。現段階では、300タイトルのアイテム数ですが、これを2年間で1000タイトルまで引き上げます。
??具体的には、どの分野のソフトを増やしていくのですか。
松田 とくに力を入れていく分野というのはなく、全般的に増やしていく予定ですが、競合他社が持っていて、当社が持っていないものを次々と揃えていきます。まだまだ、カバーし切れていない分野は多くあります。これまで当社が扱っていなかった分野のソフトも販売していくことや、これまではフォーカスされていなかったニッチな分野を拡大していくといった新ジャンルの創造も行っていきます。
??アイテム数を増やすという意味で、最近ではゲームメーカーと販売提携を結びましたね。
松田 ソフトメーカーなどとの提携がアイテム数の増加や新ジャンルの創造につながると確信しています。今年中には、10社程度と提携を締結することを目指します。
??サン・マイクロシステムズと共同企画のプレゼンテーションソフト「超五感プレゼン?スタースイート8 Impress」も発表しました。
松田 プレゼンテーションソフト市場は、自宅のパソコンにプレゼンテーションソフトがプレインストールされていなかったり、価格が高いことなどが普及の障害になっていました。今回の製品を発売することでコンシューマ顧客への普及が加速するとみています。
??この市場は、マイクロソフトが ほぼ独占状態になっていますが。
松田 プレゼンテーションソフトを普及することで、2006年に販売本数でトップシェアを獲得します。
??売上規模の目標はありますか。
松田 コモディティ化戦略を打ち出す前と比べ、売り上げは約1.5倍に増えています。2007年度(08年3月期)には、これを2倍に引き上げることを目指します。
??他社が追随している状況については、どうみていますか。
松田 1980円という価格だけを追求し、安かろう悪かろうではパソコンソフトが普及しません。クオリティが伴っていれば、他社が1980円で販売するのは望ましいといえます。また、最近ではダウンロード販売で安く販売しているケースもありますが、あまり良い傾向ではないといえます。ダウンロードだけでビジネスが拡大するのであれば、当社をはじめ、ほかのソフトメーカーさんもダウンロードビジネスにシフトします。しかし、それは最適な方法とはいえません。やはり、店頭で販売することがパソコンソフトの普及のためにも最適な方法といえます。
??コモディティ化戦略を続けることで、取り扱い店舗が増えるという点で家電量販店やパソコン専門店のビジネスに影響が出るなどといった懸念はありませんか。
松田 パソコン専門店さんや家電量販店さんから不満があるという声は聞いていません。パソコンソフトは音楽CDやDVDソフトなどと比べれば、消費者にとって遠い存在であることは否めません。パソコンソフトのコンテンツをユーザーに一段と近づけて、「いつでも、どこでも」購入できる環境が整備されれば、現状の5倍ぐらいは増えてもおかしくないといえます。こうした状況になるのは、あと2?3年程度で確立するのではないでしょうか。(取材・文/BCN 佐相彰彦)