「ボクがライブドアを再生させる!」と血気盛んな平松庚三社長と対談――第9回
平松庚三
ライブドアホールディングス 社長
地頭がいい人材がライブドアの財産
奥田 2006年1月16日、東京地検特捜部がライブドアを強制捜査、18日の昼頃、堀江さんから万一のことがあったらお願いと言われたとのことですが、その時の心境はいかがだったのですか。平松 これがヘッドハントなら、状況をいろいろ調査して自分にできるかどうかを判断するわけですが、今回はまったく待ったなしでしたからね。もし、時間的余裕があったら、引き受けなかったでしょうね。
でもこの1年間、本当にエキサイティングな毎日でした。いまだから言えるけど、最初は死ぬかと思ったですよ。後から後から問題が持ち上がってくる。毎日、12、13時間働いていますが、身体が慣れてくるんですね。それまでは、毎年2回は風邪を引いてたんですが、昨年から今年にかけては、引きかけても本格的な風邪まではいきませんでした。
奥田 気力が風邪を吹き飛ばしてしまうんだ。
平松 60歳になって一番成長した、と本には書きましたが、本当にそう思っています。師匠、先生は20歳代、30歳代の若い社員です。ライブドアには地頭の良い人材が集まっているんです。
奥田 その「地頭がいい」というのはどんな人材なんですか。
平松 私は地頭という言葉を、その人のもって生まれた能力という意味で使っています。単に頭がいいというと、要領がいいというイメージになってしまうので、本当に能力のある人だなと思ったら、地頭がいいと言ってます。
管理職になるには、地頭が良く、体力があり、コミットメント(必達目標)の3点セットが必要だと思ってるんですが、そんな人材がライブドアにはごろごろいるんです。エンジニア、プログラマ、コンテンツプロデューサーなどどの分野の人間も優秀ですよ。堀江が自ら面接して入社を決めていたといいますが、こうした人材を見ていますと堀江が目指していた会社の姿が見えるような気がします。
ライブドアの社名に誇り
奥田 社名は変更するのかと思っていたんですが。
平松 最初はそのつもりでした。どんなイメージで見られているかを調査して、ロジックを組み立て、次のストラテジーを決めていくというのが、僕のやりかたで、新しいライブドアが生まれたんだと見せるためには、当然社名は変えたほうがいいと考えてました。
ところが、社員は違ったんですよ。ライブドアはいい名前だ、多少イメージは毀損したが、立て直せる。ブランドの通っているライブドアのままでいきたいという声が圧倒的だったんです。
奥田 新体制について、説明してください。