ITジュニア賞、生みの親の一人、和歌山県立田辺工業高等学校の平松芳民校長と対談――第6回

千人回峰(対談連載)

2007/02/26 00:00

平松芳民

平松芳民

和歌山県立田辺工業高等学校 校長

コンテストの優秀者を表彰したい

 奥田 ところで、全国工業高等学校長協会が主催しておられる「高校生ものづくりコンテスト電子回路組み立て部門」の優勝者が、ITジュニア賞の表彰式に出席できるようになったのは、先生のご尽力のおかげです。ありがとうございました。段取りが大変だったでしょう。

 平松 大変といえば大変でしたが、いいタイミングだったんですよ。私は、全工協の進路対策委員会の委員長をやっていまして、全国の方々とつき合う立場にいましたので、うまくサポートできました。

 全国の子どもたちも、まじめにひたむきにやっているんだから、公の立場で褒めてやる場ができる、これは大変な励みになります。

 全工協も、これをきっかけに変わりつつあるんですよ。工業高校の先生というのは、どうも自己表現がへたな面があったんですが、子どもたちを人様に見てもらうことは重要だということに気がつき、PRの場を作り、売り込んでいくという広報活動を積極化させようとしているんです。

 奥田 06年のITジュニア賞では、田辺工業高校の湯川明日香さんが選ばれましたが、学校に変化はありましたか。

 平松 生徒もですが、先生にやる気がでてきていますね。基本を徹底した教育をしないといけない、きちんと答えられる、表現できる生徒を育てないといけないという意識が生まれています。さらに、子どもたちのために役立つなら、何かをやらねばならないと、その何かを探す姿勢が生まれています。いい方向に変化のきざしが出ており、喜んでいます。

 奥田 ITジュニア賞では、全国652校の生徒を順番に表彰したいものです。

 平松 本当にそうですね。ぜひご協力をお願いします。

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Profile

平松芳民

(ひらまつ よしたみ)  和歌山県生まれ。大阪電気通信大学電子工学部卒。1971年、和歌山県立田辺工業高等学校の教諭に。和歌山県教育委員会の学校教育課指導主事、教育企画課情報教育班長、西牟婁地方教育事務所長を歴任し、2003年4月、和歌山県立田辺工業高等学校校長に就任、現在に至る。趣味は磯釣りと米づくり